種別 論文
主題 電食試験により腐食したRC耐力壁の耐震性能に関する実験的研究
副題
筆頭著者 松永尚凡(琉球大学)
連名者1 山川哲雄(琉球大学)
連名者2 伊良波繁雄(琉球大学)
連名者3 森永繁(九州東海大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 811
末尾ページ 816
年度 1994
要旨 1.序
 本研究は亜熱帯の塩害環境下における沖縄において、鉄筋腐食がRC部材の耐震性能(剛性、耐力、じん性、エネルギー吸収量)に及ぼす影響を明らかにしようとする一つの試みである.その第一ステップとして、鉄筋のかぶり厚さが小さく、かつ腐食面積が大きい耐力壁を実験の対象に採用し、1992年度から実験を開始し、l993年度にも耐力壁の補充実験を行った。実験は電食試験と自然暴露試験による鉄筋腐食試験や、それにともなうコンクリートのひび割れ状況を調べる材料試験と、これらの試験体を用いた一定軸圧縮力下の正負繰り返し水平加力実験から構成されている。ただし、自然暴露試験は長い期間を必要とするので、現在壁筋に鉄筋を用いたRC造耐力壁試験体3体と、壁筋に連続繊維補強筋(FRP筋)を用いた耐力壁3体の合計6体を東シナ海に面した沖縄の海岸で1992年12月10日以降暴露中である。本研究は電食実験用試験体6体に限定し、かつ1993年度に行った補充実験(3体)と1992年度にすでに行った実験(3体)をまとめて整理、総括したものである。試験体6体のうち、2体は基準試験体としての健全試験体であり、残りの4体が電食により壁筋を腐食させた電食試験体である。
6.結論
 耐力壁では健全な試験体と電食した試験体の間には耐力に関してはほとんど差異が認められないが、初期剛性、じん性やエネルギー吸収量に差異が生じている。その中で、電食試験体のじん性は確かに劣化するが、初期剛性やエネルギー吸収量は初期の段階でやや増大する傾向にある。鉄筋の腐食が進行し、コンクリートの損傷がひどい場合は、層間変形角が大きくなると壁脚部のカバーコンクリートが剥落し、縦筋の座屈が壁脚部で全面的に生じ、耐力が急激に低下し、危険な状態になる。今後、塩害により鉄筋が腐食した耐力壁の耐震、耐久性能の劣化限度に関する鉄筋の許容腐食量などの究明にさらに取り組む予定である。
PDFファイル名 016-01-1134.pdf


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