種別 | 論文 |
主題 | 電気化学的補修法によるコンクリート中鉄筋の状態変化 |
副題 | |
筆頭著者 | 芦田公伸(電気化学工業) |
連名者1 | 石橋孝一(電気化学工業) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 823 |
末尾ページ | 828 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 多量の飛来塩分を受ける海岸地域のコンクリート構造物や冬期の凍結防止のために道路に融雪剤を散布する寒冷地域のコンクリート構造物では、コンクリート内部に浸透した塩分の影響で鉄筋の腐食等によって生じる劣化が社会問題化して以来その補修法に関する多くの研究が行われている。この様な塩害を受けたコンクリート構造物の補修では、コンクリートにひびわれや欠落が発生した後にそれらの部分のみの補修を行う事が一般的であり、劣化の根本原因であるコンクリート中の塩分の除去については、何ら処置がなされていない。 最近、新しい補修方法として、コンクリートの内部鉄筋を陰極に、コンクリート表面に陽極を設置して、その間に直流電流を一定時間流すことにより、コンクリート中の塩分を鉄筋周辺からコンクリートの表面外へ移動させる電気化学的脱塩技術が開発されている。また、この方法において、現実にコンクリート中の塩分が移動することの確認や実構造物への応用が報告されている。しかし、コンクリート中に直流電流を流す際に陰極となるコンクリート内部の鉄筋の状態変化については、必ずしも明らかになっているとはいえない。 本研究では、直流電流を鉄筋コンクリート中へ流す電気科学的脱塩法の脱塩効果の確認と処理中に陰極として用いたコンクリート内部の鉄筋の処理後の状態変化について分極曲線の測定を行った結果について報告する。 4.まとめ コンクリート供験体を用いた今回の実験結果から、以下のことが言える。 (1)脱塩処理による塩分濃度の減少は鉄筋に近いほど大きい事が確認できた。 (2)脱塩処理での塩素濃度分布の変化は、鉄筋から外部電極を結ぶ線上で等距離にある部分では塩分の分布状態は等しく処理効果が均一である事が確認できた。 (3)コンクリートの内部鉄筋のアノード側の分極曲線に急峻な立ち上がりが認められ鉄筋表面への不動態膜の状態が改善されている事が確認できた。 同様の事は自然電位の測定結果からも確認できた。 |
PDFファイル名 | 016-01-1136.pdf |