種別 | 論文 |
主題 | 永久型枠式電気防食用陽極の開発とその性能に関する検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 武若耕司(鹿児島大学) |
連名者1 | 生田裕二(鹿児島大学大学院) |
連名者2 | 橋口隆(インフラテック) |
連名者3 | 峰松敏和(住友セメント) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 835 |
末尾ページ | 840 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.まえがき 最近、コンクリート構造物の塩害対策として電気防食が注目され、その実用化に向けた具体的な検討が活発に進められるようになってきた。電気防食の防食性については、原理的にはコンクリート表面からでも内部鋼材を直接防食できる極めて優れたものである。そこで、この防食方法における検討の対象は、これまで主に、防食を安定かつ長期的に行うための通電システムの開発に向けられてきた。特に陽極システムは、電気防食の”心臓部”にあたり、防食の均一性、安定性、耐久性および施工性など、多くの性能が要求される。現在、いくつかの有効な陽極システムが実用化されているが、今後予想される電気防食の需要増加を考え合わせると、陽極システムの各性能に対しさらなる向上も期待されるところである。 一方、永久型枠工法は、コンクリート工事における工期の短縮と労働力の削減を図れることから最近注目を集めている工法の1つである。この工法では、型枠が工場製品として安定した品質を確保でさることから、鉄筋のかぶりを確実に計算できること、コンクリートの保護工としての機能も発揮できることなどの利点も有している。本研究では、この永久型枠工法の利点を生かし、電気防食の施工において最も重要かつ手間のかかる陽極施工の簡略化、陽極保護性能の向上、陽極と鉄筋間の確実なクリアランスの確保ならびに、型枠と電気防食の二重防食による鉄筋防食性の改善などを目的とした永久型枠式陽極の開発を試みた。 ここではこの型枠式陽極の概要を示すとともに、その最大の検討課題である型枠の一体性と電気防食性能の関係について、この型枠を使用したはり供試体の静的および疲労載荷時の通電性および鉄筋分極性から検討を行った結果について示す。 4.まとめ コンクリート構造物の電気防食用陽極として永久型枠式陽極を開発し、その実用性を検討した。その結果、以下のことが確認された。 (1)一般の部材においては、本型枠式陽極を使用しても、従来の陽極を用いた場合と同程度の通電性能は確保できる。 (2)本陽極の施工された部材に作用する荷重が一時的に終局耐力近くまで達しても、その後の防食性には大きな影響はない。 (3)繰り返し荷重を受ける状況では、型枠の剥離が部材の疲労破壊に先行して生じ、この点に関する改善が必要である。ただし、型枠の一体性が確保できれば、疲労環境においても電気防食効果は維持できる。 (4)電気防食された部材に荷重が加わると、鉄筋自身の分極抵抗が減少して防食性が低下する場合もある。 |
PDFファイル名 | 016-01-1138.pdf |