種別 | 論文 |
主題 | 複合劣化条件下におけるコンクリートの細孔構造 |
副題 | |
筆頭著者 | 小林茂広(中研コンサルタント) |
連名者1 | 宮川豊章(京都大学) |
連名者2 | 菊池保孝(西日本旅客鉄道) |
連名者3 | 北後征雄(ジェイアール西日本コンサルタンツ) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 853 |
末尾ページ | 858 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.目的 自然環境下におけるコンクリート構造物の耐久性に関しては、主要劣化要因であるアルカリ骨材反応、塩害および中性化が複合して作用する場合について検討することが重要であるが、要因設定の繁雑さもあり、あまり検討が加えられていないのが現状である。中性化あるいは飛来塩分による鉄筋腐食については、コンクリート組織の密実さが大きく影響する。また、アルカリ骨対反応による損傷を受けた構造物では、膨張作用によりコンクリート組織に微細なひびわれが生じ、腐食要因である二酸化炭素や塩分の浸透が促進される可能性が考えられる。 本研究では、複合要因による鉄筋腐食について検討を加えた前報に準じて試験要因を設定し、塩害、中性化およびアルカリ骨材反応が単独で生じた場合、さらに実環境では中性化が大きな要因であることもあり、中性化環境を重視し、塩害+中性化、アルカリ骨材反応+中性化、塩害+アルカリ骨材反応+中性化という複合条件下でのコンクリート組織の変化について、水銀圧入法による細孔径分布測定をもとに検討を加えたものである。 4.まとめ 今回の設定複合劣化条件下での細孔径分布測定結果を整理すると、以下の通りである。 (1)全細孔量は添加剤(NaOH、NaCl)量の増加につれ増加するが、今回の試験範囲ではNaOHの方が影響が大きい。50nm以上の細孔量は、添加により無添加に比べ増加するが、添加剤量による差はほとんどない。ただし、NaOH添加時で量が多い場合には細孔量が著しく増大する。100nm以上の細孔量は、非反応性骨材コンクリートでは添加剤の有無・量による差はほとんどない。 (2)水セメント比が細孔構造におよばす影響は、他の要因に比し卓越している。 (3)中性化等の耐久性状に影響するとされる50および100nm以上の細孔量は、含有塩化物イオン量の影響を受けない。 (4)中性化による組織の緻密化現象は、ある程度組織が密なコンクリートの場合に生じる現象である。 (5)反応性骨材コンクリートでは、添加剤量の増加につれて50nm以下の微細細孔量が増加している。 |
PDFファイル名 | 016-01-1141.pdf |