種別 | 論文 |
主題 | ポリエステル系、ビニルエステル系レジンコンクリートの耐化学薬品性に関する基礎的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 山崎竹博(九州工業大学) |
連名者1 | 出光隆(九州工業大学) |
連名者2 | 税田賢二(九州工業大学大学院) |
連名者3 | 二島建(九州工業大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 865 |
末尾ページ | 870 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.まえがき コンクリート構造物の耐酸性や耐久性向上の観点から、レジンコンクリート製ブロックマンホールやパネル、パイプ、シールドセグメントなど、レジンコンクリートプレキャスト部材を使用した施工例が見られるようになってきた。これらの材料は施工時に現場打ちセメントコンクリートやグラウトモルタルなどと併用されることが多いため、セメントの水和反応によって生ずるアルカリ性にも耐久的であることが望ましい。 従来、レジンコンクリート用樹脂として多く用いられてきたオルソフタル酸系不飽和ポリエステルは優れた耐酸性能を示すが耐アルカリ性能は顕著ではないとされてきた。そのため、セメント材料との併用には樹脂の変更や表面コーティング等の対策が取られてきた。樹脂の耐久性を考える場合、一般に加水分解を受け易いエステル基の数が少ない分子鎖ほど高い耐久性を持つことが知られている。本研究では、製造原料によって異なる数種のポリエステル樹脂の耐酸性、耐アルカリ性を確認すると共に、更に高い耐久性を有すると考えられるビニルエステル樹脂を使用して耐化学薬品性を検討した。 このほか、各樹脂を用いたレジンコンクリートの物理的性質の温度に対する安定性も併せて検討するため、20〜60℃の温度で圧縮強度試験も実施した。 4.まとめ 以上、ポリエステル系、ビニルエステル系レジンコンクリートの化学的耐久性および温度依存性の面から、土木用耐久性材料としての適応性を検討してきた。耐化学薬品試験では促進試験であることから浸漬溶液のpHは自然界では稀な値であり、1年間の浸漬は苛酷な自然環境に対しても数十年に相当すると考えられる。これらの観点から、従来のセメントコンクリートでは対処できない環境でも、ビスフェノール糸ポリエステルやビニルエステル樹脂を用いたレジンコンクリートでは十分な耐酸性、耐アルカリ性を発揮できることが分かった。また、比較的耐久性の劣るオルソフタル酸系ポリエステル樹脂でも、樹脂配合量の増加や表面樹脂層の形成、遠心成形などの製造方法の工夫によって実用的な耐久性を付与できるものと考えられる。 高分子材料はセメントに比べてかなり高価であるが、今後、セメントでは対処できない苛酷環境下での使用や高強度、高耐久性材料として省力化、迅速施工法なども兼ね合わせた合成構造部材への利用拡大が期待される。 |
PDFファイル名 | 016-01-1143.pdf |