種別 論文
主題 コンクリート表面の汚れとその防止対策に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 平田隆祥(大林組)
連名者1 竹田宣典(大林組)
連名者2 十河茂幸(大林組)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 877
末尾ページ 882
年度 1994
要旨 1.はじめに
 従来、土木分野のコンクリート構造物は機能性や耐久性、経済性が重視され、その外観は素材を生かし、安価でメンテナンスを必要としない打放しコンクリートが多数を占めてきた。ところが、打放しコンクリートの外観は汚染されやすいことが指摘されており、これらの構造物の外観は長期間の放置で汚染され、一部では醜い姿をさらしているのが実情である。一方近年、ゆとりと豊かさを重視した社会資本整備の必要性が叫ばれ、コンクリート構造物においても、美観や周辺環境との調和を考慮することが強く要求され、その結果、土木分野のコンクリート構造物においても外観を品質の一部と考え、恒久的で安価な美観の要求が高まってきた。
 本研究では、実環境下における打放しコンクリートの外観の汚染進行と、外観の汚染防止対策について検討を行った。打放しコンクリートの外観の汚染防止対策には、透明のシラン系浸透性吸水防止剤やエポキシ系、フッ素系、アクリル系などの高耐候性塗布剤を塗布する方法があり、これらの防止対策を施したコンクリート表面の汚染防止効果について検討を行った。
5.結論
 実験の結果得られた知見を下記に示す。
 1)打放しコンクリートを屋外暴露すると、外観の汚染により光沢度は低下し色差は増大する。この傾向は環境条件では湿度が高い場所が、部位では壁部より水路部の方が著しい。以上の結果より、光沢度や色差は汚染度の指標とすることができると考えられる。2)光沢度や色差を汚染度の指標とする場合、初期値からの相対変化量や絶対値の偏差で評価する必要がある。 3)本実験に使用した打放しコンクリートの外観の汚染防止用塗装剤は、その塗布によるコンクリートの外観への影響は少ない。また汚染防止効果は、特珠アクリル樹脂系のものが光沢度の低下を抑制する効果が高く、防カビ剤混入水性シラン系のものが表面色の変化を抑制する効果が高い。 4)外観の汚染防止用塗装剤は、塗装剤の種類、環境条件や使用部位によって効果が認められない場合があるので、条件に応じた最適な塗装剤を選定する必要がある。
 今後は、実構造物における打放しコンクリートや汚染防止対策を施した場合の、汚染進行速度を調査するとともに、打放しコンクリートの表面に付着した各種汚染物質の洗浄方法、あるいは容易に汚染物質が洗浄できる塗装剤について検討する予定である。
PDFファイル名 016-01-1145.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る