種別 | 論文 |
主題 | セメント水和物の炭酸化に及ぼす硫酸塩の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐々木孝彦(鉄道総合技術研究所) |
連名者1 | 立松英信(鉄道総合技術研究所) |
連名者2 | 岩渕研吾(鉄道総合技術研究所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 925 |
末尾ページ | 928 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに コンクリートの炭酸化は耐久牲に影響する問題として広く研究が進められている。演者らは、これまで、炭酸化速度を支配する種々の要因を変化させてセメントペーストを作製し、促進炭酸化条件下での炭酸化に伴う変質を主としてX線的手法により検討してきた。その結果、炭酸化しやすい低品質なセメントペーストの炭酸化域にはcalciteの他にvateriteと呼ばれる準安定相の炭酸カルシウムが共存することを明らかにし、促進炭酸化による水酸化カルシウムの消失とvateriteの生成とを指標とした品質判定法(促進炭酸化法)を示した。 アルカリが混入すると炭酸化速度は速くなるが、塩の形で混入する場合は塩化物あるいは硫酸塩か一般的であり、前者については既に報告した。本報告では、アルカリ硫酸塩を添加したセメントペーストの促進炭酸化による変化を調べた結果について、これまでの報告結果と対比しながら述べる。また、硫酸イオン共存下で合成したC−S−Hの促進炭酸化による変化についても述べる。 4.まとめ セメント水和物の炭酸化に及ぼす硫酸塩の影響を検討するため、アルカリ硫酸塩を添加して作製したセメントペーストを促進炭酸化し、生成した炭酸カルシウムのキャラクタリゼーションを行った結果、以下のことか明らかとなった。 1)アルカリ硫酸塩を添加すると炭酸化は促進され、その程度は、アルカリ水酸化物の場合が最も大きく、アルカリ中性塩の場合は穏やかになる。なかでも硫酸塩の場合には、特にアルカリ量が多くならない限り、炭酸化速度への影響は少ない。 2)アルカリ硫酸塩を添加したセメントペーストの炭酸化域には、3種の炭酸カルシウムが生成し、これらの生成状況はアルカリ塩化物を添加した場合と類似している。 3)炭酸化しやすさと促進炭酸化におけるvateriteの生成とは、これまでと同様に、よい相関が認められ、セメントペーストの品質を表す指標としての有効性が確認された。 |
PDFファイル名 | 016-01-1153.pdf |