種別 論文
主題 コンクリート中への塩化物の浸透と海洋環境条件
副題
筆頭著者 佐々木慎一(北海道開発局)
連名者1 堺孝司(北海道開発局)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 941
末尾ページ 946
年度 1994
要旨 1.まえがき
 海岸付近に建設される鉄筋コンクリート構造物では、飛来する塩分(塩化物イオン)による劣化・損傷、いわゆる塩害への対策が非常に重要である。北海道においても、日本海沿岸や太平洋岸に架設された橋梁や覆道で塩害による被害が確認されている。
 塩害は海塩粒子がコンクリート表面に付着し、それらが内部に浸透し、鉄筋の不動態被膜を破壊して腐食を生じさせることに起因するが、その過程は未だに不明な点も多い。
 鉄筋コンクリート構造物の合理的な塩害対策を確立するためには、いろいろな塩害環境下において飛来塩分がコンクリート中にどのように浸透・蓄積していくかを明らかにすることが必要となる。そこで、本研究では、先ず実構造物がおかれている塩害環境を把握するために、現在一般的に用いられている2種類の塩分捕集方法を用いて飛来塩分の捕集を行い、地形や海岸線からの距離の影響と両捕集方法の相関について検討した。また、コンクリート供試体の暴露試験により表面に付着する塩化物量と内部に浸透する塩化物イオン量の測定を行い、飛来塩分量との関係について検討した。さらに、暴露供試体と同一環境にある実構造物の浸透塩化物イオン量を測定し比較を試みた。
4.まとめ
(l)飛来塩分の捕集において、ガーゼ法は海岸線から離れた地点や比較的弱い風によって飛来する微細な海塩粒子の捕集については土研法より優れているが、海岸線近くで発生する波しぶきなど、百葉箱内に入ってこない大きな種子は捕集できない。そのため、塩分の飛来量を過小に評価する恐れがある。これとは反対に土研法では、微細な粒子は捕集できない欠点がある。
(2)飛来する海塩粒子の量および粒径と風向・風速の間には相関がみられた。しかし、その地点での飛来塩分量は地形条件、海岸の形状など多くの因子による影響を受けるため、風向・風速との定量的な相関を得るには至らなかった。
(3)暴露供試体の塩化物イオン量の分布から求めた見かけの拡散係数は、コンクリートの配合および飛来塩分量の影響を大きく受けている。
(4)実構造物のコンクリートでは、暴露供試体とは異なり、表面での塩化物イオン含有量が少なく、内部に含有量のピークが存在する場合がみられた。
(5)石狩河口橋のように内陸部にある場合でも、海岸からの地形等の条件により土研法では捕集できない微細な海塩粒子が多量に飛来することが明らかになった。
PDFファイル名 016-01-1156.pdf


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