種別 論文
主題 部分構造と感度解析による鉄筋コンクリート橋の剛性推定に関する研究
副題
筆頭著者 今井富士夫(宮崎大学)
連名者1 中沢隆雄(宮崎大学)
連名者2 枝元宏彰(国土開発コンサルタント)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 977
末尾ページ 982
年度 1994
要旨 1.まえがき
 最近、多年の供用によって損傷を受けた構造物の剛性値を推定するための手法がいくつか提案されている。新延らは感度解析を用いた最小自乗法に基づくはりの剛性推定法を提案し、宮本らは感度解析手法を実橋梁に適用して、静的・動的の両面から剛性推定を行っている。
 これらは有限要素法を基にした解析法であり、分割要素個々の剛性を1つの感度変数として取り扱うため、損傷が分割された要素内に一様に分布する場合には精度の良い結果を得ることができるが、要素内に局所的な損傷が存在するときには損傷の剛性は把握できていないことになる。局所的な損傷による剛性変動を正確に把握しようとするならば、要素を細分化し、解の収束で判定する方法もあるが、それでは構造系全体の解析では多大な計算時間を要することになる。
 ここで提案する部分構造と感度解析を併用する手法によれば、局所的な損傷の部位やその幅を把握することができ、しかも少数の要素で剛性を精度良く解析できることが明らかとなった。本論文では損傷を有する単純ばりの解析例により本法の有効性を確認するとともに、本法の実橋梁への適用に関する問題点についても言及している。
6.あとがき
 本論文では感度解析に部分構造を併用した剛性推定法を提案し、損傷を有する鉄筋コンクリート橋への本法の適用性を検討するために、単純ばりを例に採り、剛性(断面2次モーメント)の解析を行った結果を報告している。取り扱った損傷は一定の幅の断面欠損と曲げひびわれが密に存在するような場合である。得られた結果を要約すると、以下のようになる。
(1)本法を使用すれば、損傷の部位と長さを検索でき、かつ精度の良い剛性推定が可能となる。
(2)損傷の部位と長さの検索には、測定データとしてたわみを使用すべきである。
(3)剛性推定の測定データとしては、たわみよりもたわみ角が有利である。
(4)曲げひびわれが密に分布する断面についても、平均的な剛性が算定できる。
(5)実橋梁への本法の適用には、少数のたわみデータからの精度の良い補間法とたわみ角の算定法を開発する必要がある。
 本法は格子桁構造にも簡単に応用でさる。現在、格子桁モデルに対する計算も行っており、次の機会に報告する予定である。
PDFファイル名 016-01-1162.pdf


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