種別 | 論文 |
主題 | ASRによるコンクリートの膨張に及ぼすアルカリ量の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 王 鉄成(大阪セメント) |
連名者1 | 西林新蔵(鳥取大学) |
連名者2 | 中野錦一(大阪セメント) |
連名者3 | 吉野公(鳥取大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1067 |
末尾ページ | 1072 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.まえがき アルカリ骨材反応の主要反応物質であるアルカリはコンクリートの内部(セメントなど)と外部(海水など)から供給されるものである。これらの中でセメント中のアルカリの影響についてはかなり明らかにされてきている。セメント中のアルカリは主としてセメントの原料である粘土から持ち込まれて、Na2SO4、K2SO4などのアルカリ化合物として存在し、一定の条件下にコンクリート中にアルカリ骨材反応を引き起こすと考えられている。 コンクリートのアルカリ骨材反応には、ある程度のアルカリ量、反応性骨材量が存在している必要がある。反応性骨材の影響は、骨材中のアルカリや有害反応性鉱物によって異なり、一方、アルカリの影響はアルカリ化合物の種類や組成によって異なる。アルカリシリカ反応による膨張は、一定の反応性骨材量に対しては、同一骨材、同一水セメント比の場合、一般にアルカリ量が多いほど膨張量が大きくなるとは限らず、いわゆるペシマムアルカリ量の存在がモルタル試験によって確認されている。しかし、コンクリートの場合は、アルカリ量による膨張の変化は、反応性骨材、セメント中のアルカリ、環境条件等と密接、かつ複雑に関係し、とくにアルカリの影響については不明確な点が多く残されている。 本研究はコンクリート供試体を対象として、アルカリ骨材反応に及ぼす諸要因の影響を明らかにするための一検討事項として、アルカリシリカ反応による膨張特性に及ぼすアルカリ量の影響を検討したものである。 6.まとめ 本研究はアルカリ量とそれに関係する単位セメント量の要因を設定し、コンクリートの膨張特性に及ぼすアルカリ量の影響を検討した。以下に得られた結果を要約する。 (1)反応性骨材別のアルカリ量の膨張量に及ぼす影響については、アルカリ量の増加に伴って膨張量が増大するが、反応性細骨材だけ(0/100)を使用した場合に膨張量は最も大きく、この場合にのみペシマムアルカリ量が存在し、その値は約2.0%にあることが確認できた。 (2)セメント中のアルカリ量を一定にすると、セメント量の増加に伴って膨張量も増大する。膨張が発生するペシマム条件を考慮し、膨張が生じない限界値はアルカリ総量3kg/m3とすれば、アルカリ量に対応した単位セメント量の限界値が示された。 (3)アルカリ量によってひびわれ特性は異なり、フラクタル解析におけるフラクタル次元Dなどの因子はアルカリ量によって変化する。 |
PDFファイル名 | 016-01-1177.pdf |