種別 論文
主題 アルカリ種別とアルカリ量による反応性骨材を用いたモルタルの特性について
副題
筆頭著者 松井祐一(岐阜大学大学院)
連名者1 長瀬道雄(岐阜市役所)
連名者2 小柳洽(岐阜大学)
連名者3 浅野幸夫(岐阜県生コンクリート工業組合)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1079
末尾ページ 1084
年度 1994
要旨 1.はじめに
 アルカリ骨材反応(以下ASRと略)によってひびわれ損傷を生じた鉄筋コンクリート部材の力学的特性については従来から種々の検討がなされてさているが、損傷構造物の安全性評価の必要性からは、さらに多くの検討が必要とされている。
 骨材のASR反応性の試験方法として、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)の付属書8に規定があり、全アルカリ量(R2O)を水酸化ナトリウム(NaOH)を用いてセメント量の1.2%とすることが定められている。しかしながら、コンクリートにNaOHを添加すると、強度特性や凝結特性が変化するため、付属書8のアルカリ添加の方法は、骨材の反応性を求める方法として適切であっても、ASRによるひびわれを生じたコンクリート部材の力学特性の試験法としての適用性には問題があると考えられる。
 本研究は、種々のレベルのひびわれ損傷を生じた構造部材の特性を検討するため、基準となる種々の膨張量を持つASRコンクリートを設定する目的を兼ねて、岐阜県産の反応成骨材を用いて添加アルカリ種別を3種類、アルカリ添加量を8種類に変化させて、モルタルバーの膨張試験に加えて、セメントペーストの凝結特性ならびにモルタルの諸特性について実験的に検討した結果を示すものである。
4.おわりに
 ASRによるひびわれ損傷を生じた構造部材の特性を検討するため、基準となる様々の膨張量を持つASRコンクリートを設定する目的から、角閃安山岩を含む反応性骨材を用いて3種類のアルカリ種別(NaOH、Na2SO4、NaCl)の最大1.8%までの等価アルカリ量におけるモルタルバーの膨張試験を中心にして、凝結特性やモルタルの強度特性について検討した。
 モルタルバーによる膨張試験では、アルカリの大量添加における膨張量の大きいものはNa2SO4およびNaClであり、添加量1.8%において1年の膨張量は約1%であった。
 モルタルの強度試験より、NaOHの添加は強度低下をもたらすことが問題点として挙げられた。
 セメントペーストの凝結試験結果より、NaOHの大量添加はやや瞬結の傾向にあり、一方Na2SO4の大量添加は始発・終結ともに著しく遅延することが認められた。
 ここで行った試験結果より、大量添加によって膨張量が大きく、強度特性ならびに凝結特性には大きな影響を与えないアルカリ種別としてNaClが最適であることとなった。しかしながら、鉄筋コンクリートの部材特性の検討を対象とした場合には、NaClによる鉄筋の発錆が問題となるため、この点についての考慮が必要であると考える。
PDFファイル名 016-01-1179.pdf


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