種別 | 論文 |
主題 | 海洋構造物におけるアルカリ・シリカ反応に関する基礎的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 金昌吉(東北大学大学院) |
連名者1 | 三浦尚(東北大学) |
連名者2 | 内薗雅仁(東北大学大学院) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1085 |
末尾ページ | 1088 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに コンクリート構造物中に外部からNaClが持続的に供給される場合、ASRが促進され、NaCl濃度が高いほど膨張率は大きくなることが報告されている。 KawamuraらはNaClによってASRが促進され、その膨張はCl-と関連があるとした。そして、三浦らはNaClが持続的に供給される海洋構造物ではASRが促進されて、膨張率は濃度が高い程大きいと報告した。 外部からNaClが供給される飛沫帯を含む海洋コンクリート構造物は、海水の湿潤と乾燥の繰り返しで生じる濃縮作用のためにNaCl濃度が高くなる。このためASRの発生の可能性が高く、骨材によってはASRが促進して初期過程で大きな膨張率を示すことが考えられる。 このような地域では、コンクリートに生じるASRの影響を抑制することを目的として使用されるポゾランの量を増やしたり、あるいは普通セメントの代わりに他のセメントを用いることが考えられている。Daviesらはポゾラン分子はその反応特性と粉末度のためアルカリを希釈すると報告したが、NaClが継続的に供給される環境下ではASRの抑制効果も異なると考えられる。 本研究では、ASRの促進と安全側の値が得られるであろうことを考えて、NaCl濃度を海水より高い10%と20%として反応性骨材に対するASRの影響と、超低発熱セメント(中庸熱ポルトランドセメントをベースとして高炉スラグ微粉末およびフライアッシュを混合した三成分系セメント)あるいはシリカヒューム(セメント重量当りで置換)によるASRの抑制効果を検討した。 4.まとめ 本研究で得られた結果をまとめると以下のようになる。 (1)反応性骨材を使用して作製された後、水道水およびNaCl10、20%水溶液に浸したモルタルバーの膨張率は水道水よりNaCl水溶液に浸したものの方が大きくなり、膨張はNaClの濃度が高いほど大きな値を示す。 (2)三成分系である超低発熱セメントの使用によるモルタルバーのASR抑制効果は認められた。しかし、今回の実験ではNaCl水溶液に浸したモルタルバーは大きな収縮率を示したのでこの点については別途の検討の必要があるものと思われる。 (3)シリカヒュームで普通セメントを置換することによるASRの膨張抑制は、NaCl20%水溶液を用いた場合、置換率7%以下では十分ではなく、置換率が9%以上でなければ達成されなかった。 |
PDFファイル名 | 016-01-1180.pdf |