種別 論文
主題 天然ゼオライトによるコンクリートのアルカリ骨材反応抑制技術
副題
筆頭著者 高橋徹(道立工業試験場)
連名者1 長野伸泰(道立工業試験場)
連名者2 八幡正弘(道立地下資源調査所)
連名者3 浜幸雄(北海道大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1099
末尾ページ 1104
年度 1994
要旨 1.はじめに
 各種岩石試料のアルカリシリカ反応性試験及びその岩石・鉱物学的検討により、溶解シリカ量(Sc)やアルカリ濃度減少量(Rc)に影響を与える鉱物が特定されている。Rcの値は生成したアルカリシリケートゲルのポリマー度によるとされていたが、陽イオン交換性を有する粘土鉱物(スメクタイト)の影響も大きいことが報告されている。
 本研究では、陽イオン交換能の大きい天然ゼオライトで骨材の一部を置換し、化学法、モルタルバー法及び細孔溶液の分析を行い、アルカリシリカ反応抑制効果と抑制機構について検討した。しかし、天然ゼオライトは一般的なコンクリート骨材に比較して強度が低い、空隙率が高く吸水率が大きい、比重が小さいなどの欠点がある。このため、これを骨材として一般のコンクリートに適用する場合、ワーカビリティ、圧縮強度、耐凍結融解抵抗性など、施工性、品質の低下が懸念されることから、骨材の一部を天然ゼオライトで置換したコンクリートを作製し、その性状について検討した。
4.まとめ
 天然ゼオライトによるアルカリシリカ反応の抑制機構について検討し、さらに一般のコンクリートに通用するため、天然ゼオライト混合コンクリートの作製及び品質、性状に関する試験を行った。得られた結果を以下にまとめる。
(1)砕石試料のRcとCECの間には正の相関が認められた。
(2)天然ゼオライトはナトリウムイオンやカリウムイオンを交換サイトに固定化する性質があり、アルカリシリカ反応の要因となる細孔溶液中のアルカリ濃度を低減することができる。
(3)骨材重量の1、2、3%を天然ゼオライトで置換したコンクリートの膨張量を測定したところ、置換割合の増加に伴い膨張が抑制されたが、膨張量判定基準値(0.100%)以下とするためには3%以上の置換割合にする必要がある。
(4)骨材の1〜3%を天然ゼオライトで置換しても、スランプ、単位容積重量、空気量などフレッシュコンクリートのワーカビリティ、品質の低下などは認められなかった。またコンクリート硬化体の圧縮強度については、置換割合0%での圧縮強度を100とすると置換割合3%で90前後の値を示した。凍結融解試験についても天然ゼオライト置換の影響はみられない。
PDFファイル名 016-01-1183.pdf


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