種別 論文
主題 短繊維補強高流動モルタルのレオロジー性状
副題
筆頭著者 畑義行(積水ハウス)
連名者1 築地光雄(積水ハウス)
連名者2 竹内好雄(日本電子硝子)
連名者3 森博嗣(名古屋大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1117
末尾ページ 1122
年度 1994
要旨 1.まえがき
 短繊維補強コンクリートの中で、プレミックス法によるガラス繊維補強コンクリート(GRC)は、マトリックスであるモルタルにガラス繊維を混入した複合材料であり、繊維の添加量を適切に選択すれば高い曲げ剛性・靭性とともに、薄肉・軽量化を可能とし、マトリックスの短所を補った材料である。しかし、GRCは数種の比重の異なる材料の複合系であるため、“流動性”、“分離抵抗性”といった施工性に関わる性質が悪くなる欠点があり、この点に関する材料配合面からの改善が課題となる。コンクリートの施工性に関しては、主に骨材に砂利、砂を使用した普通コンクリートを対象とした高流動コンクリートの研究が盛んに行われ、実用化に至っているが、繊維補強コンクリートを対象とした研究例は少なく、配合、製造条件と流動牲、分離抵抗性の関係については、スランプ試験、フロー試験などの結果が報告されているのみである。
 本研究は、プレミックスGRCの配合面からの施工性向上を目指し、その評価手法としてレオロジー定数を取り入れ、GRCのレオロジー性状と流動特性に及ぼす各種配合材料の影響を実験的に検証したものである。
4.まとめ
 本研究で得られた知見を以下に示す。
1)GRCの配合条件として、けい砂粒度の粗い5号、分離低減材の無添加、またガラス繊維は集束力が強く解繊しにくい集束剤で集束し単位重量当りの繊維本数が少なく繊維長が短いもの、などが降伏値は小さく流動性は良好となる。
2)モルタルの塑性粘度は、けい砂粒度が細かいほど、また分離低減材の添加により増大するが、GRC中のモルタルとガラス繊維の分離抵抗度には後者の方が大きく寄与する。ガラス繊維は集束力が強く解繊しにくい種類で単位重量当りの繊維本数が少なく繊維長が短い方が分離抵抗度は優れ、充填高さは増大する。またガラス繊維種類・長さを変えることでGRCの塑性粘度を増大することができるが、その場合はモルタルとガラス繊維の分離抵抗度は低下する。
3)GRCのスランプ値・スランプフロー値・充填高さは、降伏値の影響以外に、モルタルとガラス繊維の分離の影響を受ける。特に分離低減材の添加により降伏値が増大しても、モルタルとガラス繊維が分離しにくくなり充填性は向上する。
4)ガラス繊維はその集束剤量が多い程、またアクリル系の集束剤を用いた場合の方が解繊しにくいため、GRCの流動性、分離抵抗性は良好となる。
5)ガラス繊維長さを短くすることは流動性向上には効果的であるが、同一条件下におけるGRCの曲げ強度は、繊維長さが短い18mmでは19mm、25mmに比較して小さくなる。
PDFファイル名 016-01-1186.pdf


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