種別 論文
主題 高流動プレミックスGRCの強度および長さ変化特性
副題
筆頭著者 堀口邦広(秩父セメント)
連名者1 横田博(秩父セメント)
連名者2 鈴木忠彦(清水建設)
連名者3 若宮隆(日本板硝子)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1145
末尾ページ 1150
年度 1994
要旨 1.まえがき
 セメントコンクリートの欠点である脆牲を改善した複合材料のGRC(ガラス繊維補強コンクリート)には、種々の製造方法があるが、現状の主流はダイレクトスプレー(吹付け)法による製造である。最近、建設省総合技術開発プロジェクトで短繊維補強コンクリートに関する研究が行われ、日本GRC工業会においてプレミックス(流し込み)GRCの試験体の作り方、各種試験方法や技術資料等について、とりまとめが行われていることより、今後、GRCの製造は、合理化が可能となるプレミックス法による製造が増加するものと予想される。
 前年度の報告においては、流動牲および分離抵抗性に優れるプレミックスGRC(以下、高流動プレミックスGRCと称する)の材料、配合や練り混ぜ方法等の製造条件について検討を行ったので、本研究では、その後実施した曲げ強度、衝撃強度および長さ変化について報告を行う。
4.まとめ
 本研究結果の概要は、以下のとおりである。
(1)曲げ強度
 曲げ強度は、高流動プレミックスGRCの試験体の形状寸法の違いとして平板試験体(5×27.5×1.5cm)と角柱試験体(4×4×16cm)とで比較した結果、角柱試験体の強度の方が各材令で大きかった。また、繊維の分散性の違いとしてGRCセメントを使用した高流動プレミックスGRCと普通ポルトランドセメントを使用した比較用プレミックスGRCとの比較を行った結果、高流動プレミックスGRCは分離抵抗性に優れているため、流して広がった各位置での試験体の強度変化は小さく、比較用プレミックスGRCに比べ安定していた。
(2)衝撃強度
 衝撃強度は、繊維の分散牲の違いとして高流動プレミックスGRCと比較用プレミックスGRCとの比較を行った結果、曲げ強度試験結果と同様に高流動プレミックスGRCは、流して広がった各位置での試験体の強度変化が小さかったが、比較用プレミックスGRCは、強度変化がかなり大きかった。
(3)乾燥収縮
 乾燥収縮は、高流動プレミックスGRCについて10×10×40cm試験体と4×4×16cm試験体の2種類で比較した。長さ変化率は、10×10×40cm試験体の方が4×4×16cm試験体より初期に若干大きかったが、保存期間1年では両者ともほぼ同程度で−3×10-4と小さな値であった。重量変化率は、初期の段階に4×4×16cm試験体の方が大きく、その差は保存期間1年でもほぼ変化はなかった。
 今回の実験結果より、高流動プレミックスGRCは、普通ポルトランドセメントを用いた比較用プレミックスGRCに比べ、試験体採取位置による曲げ強度変化および衝撃強度変化が小さく、分離抵抗性に優れていることが確認できた。また、高流動プレミックスGRCの曲げ強度は、角柱試験体の方が平板試験体より大きくなることが確認でき、長さ変化率、重量変化率については、試験体の寸法の差はほとんどないことが確かめられた。
PDFファイル名 016-01-1191.pdf


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