種別 | 論文 |
主題 | 各種FRPロッドの耐久性に関する実験的検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 猪八重由之(鹿児島大学大学院) |
連名者1 | 武若耕司(鹿児島大学) |
連名者2 | Myo Khin(鹿児島大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1185 |
末尾ページ | 1190 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.まえがき 近年、コンクリート構造物の補強材として、FRPロッドを利用しようとする試みがなされている。FRPは、鋼材のように錆びることがなく、一般に耐久性の高い材料であると言われている。したがってこの利用は、塩害や中性化による鋼材腐食が深刻な問題となっているコンクリート構造物にとって、その耐久性を確実にする極めて有効な方策であると言える。しかし一方、「土木材料のようにその耐久性が50年、100年あるいはそれ以上の非常に長期的なスケールで論じられる状況において、果してFRPが十分に耐久的であると言えるか。」といった疑問に対しては、いまだ十分な解答が得られていないことも事実であろう。例えば、FRPの最適な利用形態の1つと考えられるプレストレストコンクリート用補強材を例にとっても、高応力かつ高アルカリ性環境に長期間さらされる場合の信頼性を十分に勝ち得ているとは言いがたい。 本研究の目的は、種々の環境に建設されるコンクリート構造物においてFRPの耐久性を評価できる具体的資料を作成するとともに、その有効牲と適用範囲を明確にするところにある。ここでは、繊維の種類あるいはマトリックスの種類などの異なる8種類のFRPロッドに対し、いくつかの環境条件を設定してそれぞれの環境における耐久性を評価した結果ならびに、炭素繊維補強FRPロッド利用の場合の問題点の1つと考えられるロッドと鋼材の併用による異種金属接触腐食の可能性について検討を試みた結果を取りまとめた。 5.まとめ 繊維あるいはマトリックス種の異なる8種類FRPロッドの耐久性について実験的な検討を行った。限られた実験の範囲ではあるが、この結果から以下の点が確認された。 (1)炭素繊維補強及びアラミド繊維補強FRPロッドについては、ロッドの種類によって耐久性に差が生じた。特に、コンクリート中で高張力を受けるプレテンション材などとしての利用では、種類によっては耐久性について慎重な検査も必要である。 (2)ガラス繊維補強FRPロッドは、コンクリート中のアルカリ性や高温高湿環境条件下で大きな強度低下を生じる危険性を有している。 (3)ビニロン繊維補強FRPロッドは、高温高湿環境における品質低下に配慮する必要がある。 (4)ロッドの表面の電気的絶縁性が不十分な炭素繊維補強FRPロッドが腐食環境中で鋼材と接触している場合には、両者の電位差によって鋼材に電流が供給され、その電流量は、状況によっては鋼材の腐食速度に対し無視できない。 |
PDFファイル名 | 016-01-1198.pdf |