種別 論文
主題 FRPを補強材に用いた打継目を有するCPCはりの力学的性状
副題
筆頭著者 西須稔(群馬大学)
連名者1 小向広一(オリエンタルコンサルタンツ)
連名者2 辻幸和(群馬大学)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 1209
末尾ページ 1214
年度 1994
要旨 1.はじめに
 コンクリート工事の急速化施工や合理化施工にプレキャスト部材を利用することは有力な方法であるが、部材同士を接合して一体化させる方法は、主として鋼材を用いた機械的な方法であるため、施工が複雑で高価格であるなどの欠点を有している。しかし、接合部のコンクリートに膨張材を使用することによって、接合部の力学的性状を本体と同等あるいはそれ以上に保持できるものと考えられる。
 また、近年、コンクリート中の鋼材の腐食により、海岸などの海洋環境下に造られているコンクリート構造物の早期劣化が問題となっており、FRPは、その耐食性の高さから鋼材に代わる補強材として関心を集めている。しかし、FRPは鋼材と比較して、付着力が小さいという弱点があり、付着性状を改善する研究も活発である。その内、格子状に成形したFRPのコンクリートとの付着は、格子交差部で確保できるため、その付着効果を大きくすることが可能である。しかしながら、格子交差部に局所的に高いせん断応力や曲げ応力が発生しやすい等の留意すべき点があり、これら格子状FRPの材料特性がはりの力学的性状に及ぼす影響について検討を行う必要があると考えられる。
 本研究は、ガラス繊維および炭素繊維による格子状FRPを補強材に用い、等曲げモーメント区間に鉛直打継目を有したはりを作製し、膨張材を使用してケミカルプレストレスを導入したCPCはりの力学的性状について、実験的検討を行うものである。
8.まとめ
 補強材にガラス繊維と炭素繊維を格子状に成形したFRPを用い、鉛直打継目間の接合部コンクリートに膨張材を用いてケミカルプレストレスを導入したCPCはりについて、その曲げおよびせん断性状を実験的に検討した。本実験の範囲内で次のことがいえる。
1)FRPはりは、RCはりに比べ曲げひび割れ発生モーメントおよび斜めひび割れ発生モーメントはともに小さく、鉛直打継目があるとさらに小さくなるが、膨張材の使用によりその低下が軽減される。
2)曲げひび割れ幅は、打継目に集中して発生するため、その幅も大きく、その傾向は弾性係数の小さい補強材を用いるほど、また格子間隔が大きいほど著しい。膨張材を用いることによりこの様な性状も改善される。
3)補強材の種類により、曲げ圧縮破壊、せん断圧縮破壊、せん断破断および曲げ引張破壊と破壊形式は異なったが、破壊モーメントは単位膨張材量に関わらずほぼ等しい値となった。
PDFファイル名 016-01-1202.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る