種別 論文
主題 超音波振動を利用する低水セメント比モルタルの締め固め
副題
筆頭著者 森田将史(竹中工務店)
連名者1 内崎巌(竹中工務店)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1227
末尾ページ 1232
年度 1994
要旨 1.はじめに
 低水セメント比のモルタルが超音波振動を受けると、瞬時に流動化して緻密な層を形成する。
この層の圧縮強度は1000kg/cm2を超える高い圧縮強度を早期に発現することが既に公表されている。こうした優れた効果は超音波振動がこれまでにないコンクリート締め固め方法に発展しうることを明確に示しており、幅広い用途が考えられるものの未だ実用化に到っていない。
 アプリケーションを探るにあたって適切な進路を選ぶには、この締め固め方法の利害得失を良く理解することが不可欠であるにもかかわらず、締め固めのメカニズムについての基本的な事項がまだ解明されていない点が障害のひとつとなっている。
 そこで、締め固めメカニズム解明の第一歩として、超音波振動を受けるモルタルでは何が起こっているのかを調べ、超音波振動を利用する締め固め現象の基本的枠組みを把握することによりアプリケーション模索の見通しを良くすることを試みた。具体的には、容器に充填したモルタルを超音波振動で締め固め、この時の圧力、間隙水圧の変化を測定するとともに加振中ならびに加振後の硬さの変化を調べて、起音波振動による締め固めメカニズムを考察した。
4.まとめ
 以上述べた三種の実験をまとめると次のようになる。
1)容器に充填されたモルタルが超音波振動を受けると、圧力は急増する。それはモルタル中の砂に振動エネルギーが蓄積されるからである。
2)この砂が1kHz以下の低い周波数の振動を起こし、下層を振動する。
3)セメントペーストは振動によりせん断変形を繰り返し受け、間隙水圧が上昇して有効応力が減少し、流動化して締め固まる。
4)締め固まったモルタルは加振中にはある程度柔らかい。
5)加振停止と共に水分が徐々に減少し、格段に硬く変質する。
 超音波振動を利用する締め固めの応用分野の一例として、超高強度コンクリートの表面仕上げ作業を挙げることができる。水セメント比の低いモルタルを瞬時に流動化する機能と表面にだけ働きかけて深い層には振動が伝わらない性質をうまく利用できる、と考えられるからである。また、コンクリート工場製品の製造技術分野も有望な分野と考える。
PDFファイル名 016-01-1205.pdf


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