種別 | 論文 |
主題 | 超高強度コンクリートの不安定脆性破壊に及ぼす粗骨材の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 中村成春(宇都宮大学大学院) |
連名者1 | 橘高義典(宇都宮大学) |
連名者2 | 上村克郎(宇都宮大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 63 |
末尾ページ | 68 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 高強度・超高強度コンクリートの破壊現象は、従来の普通強度コンクリートに比べ、軟化特性が減じ脆性破壊に近づくと認識されている。しかしながら、その脆性破壊機構には、不明瞭な点が多い。多くの場合、強度試験時の爆裂現象ならびに破壊断面の骨材破断観察結果に基づき脆性化を判断しているが、定量的な評価までは行っていない。また、引張軟化則ならびにそれより算出される破壊エネルギーGFを破壊進行領域(以下、FPZ)に対応させて脆性破壊機構を考察した報告もあるが、引張軟化則を2直線で近似しているため、FPZの把握が十分とはいえず、粗骨材の影響を明確に評価したとは言い難い。また、安定破壊が前提条件であるGFの評価を不安定破壊が混在する実験結果に適用し、脆性破壊機構を解釈することには危険が伴う。例えば、圧縮強度80MPa級の高強度モルタル梁試験体等のGF試験結果において、軟化域の測定中に不安定な破壊挙動が見られる。本研究は、140MPa級の超高強度コンクリートのモードIにおける不安定脆性破壊を、引張軟化則の多直線近似逆解析により算出される各種破壊力学パラメータにより評価するとともに、粗骨材が及ぼす影響について実験検討することを目的とする。 5.結論 140MPa級の超高強度コンクリートのモードIにおける不安定脆性破壊を、引張軟化則の多直線近似逆解析により算出される各種破壊力学パラメータにより評価するとともに、粗骨材が及ぼす影響について実験検討した結果、本研究の範囲で以下が明らかになった。 (1)不安定脆性破壊での破壊エネルギーを評価した結果、破壊エネルギー特性は、粗骨材種類に応じた塑性変形能に強く影響される。 (2)不安定破壊エネルギーの弾性変形成分が、コンクリート複合材よりもモルタルマトリックスで大なるとき、粗骨材は破壊を助長し、粗骨材の塑性変形能が期待できなくなり、コンクリート複合材は脆性的になる。 (3)粗骨材種類が及ぼす塑性変形能は、ひびわれ進展初期から硬質砂岩砕石が最も大きく、また、鉄鉱石砕石は、鉄成分の延び能力により不安定破壊を抑制する効果がある。 |
PDFファイル名 | 016-01-2009.pdf |