種別 | 論文 |
主題 | 膨張コンクリートを用いたRC箱型構造の変形解析 |
副題 | |
筆頭著者 | 前川宏一(東京大学) |
連名者1 | Ashraf Shawky(東京大学大学院) |
連名者2 | 畑中俊輔(鶴見コンクリート) |
連名者3 | 今野修(鶴見コンクリート) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 93 |
末尾ページ | 98 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 地中に建設される鉄筋コンクリートでは、建設後の点検補修が困難を極めるため、耐久性に対する充分な配慮や設計・事前評価が望まれる。この目的から膨張混和材によるケミカルプレストレスを導入して、ひび割れ発生荷重を高める等の配慮が地中RC箱型構造に加えられてきた。 導入プレストレスは膨張ひずみエネルギー則から予測可能であり、ひび割れ限界状態に対する設計を合理的に行うことが可能である。 一方、膨張混和材はひび割れ発生以後の鉄筋コンクリートの変形(ひび割れ分散性、引張剛性等)にも影響を及ぼす。ひび割れ発生の使用限界状態のみならず、不静定力の算定を伴う終局限界状態の照査、地盤との相互作用を考慮した地震時断面力算定等で、膨張コンクリートのRC性状を合理的に解析することがさらに必要となる。地下空間の高度利用と設計・施工の合理化は益々、その重みを増している。本研究は、地中構造の限界状態の照査を念頭に、膨張コンクリートを用いたRC構造の有限要素解析法を提案するものである。 RC構造の解析領域は図1に示す通り、分散したひび割れの集合を連続体構成則(分散ひび割れモデル)で代表する要素と、異種部材間に存在する離散ひび割れを表現する接合要素に分けられる。初期応力の存在と膨張コンクリートが有する高い伸び能力は、ひび割れ以後の引張剛性に大きく影響を及ぼすことが予想される。そこで、本研究ではひびわれ以後の膨張コンクリートの引張剛性に着目し、一般RC構造との比較検討を行った。また、地中環境下での施工の合理化に関連して、プレキャスト接合を代表する離散ひびわれモデルの提案を行う。 4.あとがき 実験および有限要素解析結果との比較検証の結果、以下の結論を得た。 1)カップラー接合された鉄筋が、施工打ち継ぎ面でせん断変位と引き抜けを同時に受ける場合、連続鉄筋と比較して拘束係数が30%程度さらに低下し、耐力はおよそ数%程低下する。ただし、打ち継ぎ処理を省略した接合面に対しては、従来のRC離散ひびわれモデルが適用できる。 2)膨張材混和による初期応力とひびわれ以後のコンクリートによる引張拘束は、鉄筋とコンクリートの構成則をケミカルプレストレスのレベルに応じて修正することで対応可能である。 |
PDFファイル名 | 016-01-2014.pdf |