種別 | 論文 |
主題 | 低側圧3軸圧縮応力を受けたプレーンコンクリートの最大応力以降の破壊性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 石田健吾(京都大学大学院) |
連名者1 | 村上雅英(近畿大学) |
連名者2 | 大谷恭弘(神戸大学) |
連名者3 | 窪田敏行(近畿大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 135 |
末尾ページ | 140 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 著者等は、2次元的に破壊を捉えることの可能な3軸圧縮試験装置を独自に開発した。そして、一連の実験より以下の成果が得られた。 ・破壊が完全に終了した時の残留強度を最終安定条件として定式化した。 ・破壊の進行によりせん断帯の摩擦機構が、微細なひび割れ面間の摩擦から滑り面間の骨材の乗りあげやめり込みによる摩擦へと変化し、摩擦係数が増加することを見出した。 ・Mohr−Coulombの破壊基準を拡張して適用し、損傷指標αを導入することによって、最大強度時から最終安定状態までの粘着力と摩擦係数を分離する方法を考案した。 ・粘着力と摩擦係数をせん断帯の接線方向変位の関数で表現した数学モデルも提案した。 しかしながら、上述した概念に基づく数学モデルに対応した破壊形式を再現できる実験に関しては他には例が無いため、実験技術面で以下の問題点が残されていた。 ・側圧載荷の制御の精度が低く、再現性が悪かった。 ・試験体と載荷板間の摩擦の除去が完全でなかった。 ・打設後の沈下の影響で試験体の上部の強度が低くなり、上部に破壊が集中した。そのため、ひび割れによって形成される不連続面がy、YあるいはX字状に発生する試験体が多くみられた。そのため、モデルで想定しているような対角方向に1本のひび割れが生じる場合の割合が低かった。 ・単一形状、単一強度、単一調合の実験であったため、実験結果の普遍性に欠けていた。 そこで本論文では上述した問題を解決するために、以下のように実験方法に改良を加えるとともに、表-1に示すようにコンクリート強度、骨材の最大粒径、試験体形状を実験変数に取り入れた合計193体の3軸圧縮試験を実施した。 そして、滑り面近傍の微細ひび割れによるエネルギー散逸の機構を明確にするため滑り面近傍の破壊状況の可視化を試み、ひび割れ性状の検討を行った。 6.まとめ 2次元的な破壊が再現できる3軸圧縮試験装置を用いて、粗骨材寸法、コンクリート強度、試験体形状を実験変数とした合計193体の3軸圧縮試験を行った。試験装置の改良等によって、対角に1本のひび割れが生じる破壊モードが87%以上の割合で安定して得られるようになった。そして、エポキシ樹脂注入によってひび割れを可視化することにより、ひび割れ性状に関して以下の知見を得た。 ・形状が異なっても滑り面の発生角度はほぼ一定であることを確認した。 ・Mohr-Coulombの破壊基準より計算されるひび割れ角度で実際に計測された平均ひび割れ角度をほぼ近似できることを確認した。 ・滑り面は微細な縦ひび割れが斜め方向に連結することによって形成されている。 ・側圧がσ1=0〜-6MPaの範囲では、滑り面付近の損傷範囲の側圧の大きさによる拡大はわずかである。しかし、側圧の増大により滑り面付近のモルタルクラックの密度が増加する。 |
PDFファイル名 | 016-01-2021.pdf |