種別 | 論文 |
主題 | 低側圧3軸圧縮応力下で生じたせん断帯の損傷機構モデル |
副題 | |
筆頭著者 | 村上雅英(近畿大学) |
連名者1 | 大谷恭弘(神戸大学) |
連名者2 | 西野和弥(松村組) |
連名者3 | 石田健吾(京都大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 141 |
末尾ページ | 146 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 圧縮応力下のせん断帯の形成から成長の過程を予測するためのモデル化には、Micro-mechanicsのような微視的モデルと例えばT.B.Limらのような巨視的モデルがある。著者等は、巨視的な観点より最大強度以降のせん断帯の損傷機構を簡単な数学モデルで表現する事を目的として、一連の3軸圧縮試験を行ない、以下の成果を得た。 ・破壊が完全に終了した時の残留強度を最終安定条件として定式化した。 ・破壊の進行により摩擦機構が、微細なひび割れ面間の摩擦から滑り面間の骨材の乗りあげやめり込みによる摩擦へと変化し、摩擦係数が増加することを見出した。 ・損傷指標αを導入し、Mohr-Coulombの破壊基準を拡張して適用することによって、最大強度時から最終安定状態までの粘着力と摩擦係数を分離する方法を考案した。 ・粘着力と摩擦係数をせん断帯の接線方向変位の関数で表現した数学モデルも提案した。 しかしながら、文献の数学モデルでは、以下の問題点が残されていた。 ・実験結果によると、側圧レベルの増加によりひずみ軟化領域の勾配が緩くなっており、それらの現象は文献のモデルでは機構的に説明されていなかった。 ・せん断帯内部の不可逆変位ベクトルの方向が、与えられていなかった。 本論文では、これらの問題点を改良しかつ式展開を簡素化した数学モデルを提案する。 5.まとめ 最大強度以降のひずみ軟化挙動をせん断帯のせん断伝達劣化機構と結び付けた損傷機構を簡単な数学モデルと少ない材料定数で表現した。本モデルの特徴は、以下の通りである。 ・最大強度と破壊終了後の残留強度を、不動点として式(1)と(3)で与えた。 ・最大強度から最終安定状態に至る間のせん断帯の粘着力と摩擦係数の推移を損傷指標関数を用いて表した。 ・せん断帯内部の不可逆変位ベクトルの方向と粘着力の喪失によるエネルギー吸収量を、それぞれ損傷機構と関連付けた。 |
PDFファイル名 | 016-01-2022.pdf |