種別 | 論文 |
主題 | コンクリートの圧縮破壊挙動の数値シミュレーション |
副題 | |
筆頭著者 | 椿龍哉(横浜国立大学) |
連名者1 | Mostafa A.M.Abdeen(横浜国立大学大学院) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 159 |
末尾ページ | 164 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 引張に対して脆性的な挙動をするコンクリートの材料特性は、比較的小さい寸法のコンクリート供試体を用いた実験により得られるのが普通である。このような小さな寸法の供試体を用いる場合には、一般に粗骨材のような内部の不均一な構造の影響があることがこれまでに実験的にも明らかにされている。コンクリートの粗骨材レベルの内部構造は、セメントペースト部分の力学的構造が微視的であり、また、コンクリート全体の構造を巨視的であるとすれば、その中間的な構造となる。ここでは、このようなコンクリートの内部構造を中間微視的構造と呼ぶことにする。 コンクリートの中間微視的構造に関しては、コンクリート要素と称する一種の複合要素を用いた有限要素解析が、コンクリートの乾燥収縮やクリープ変形に対してこれまでに行われている。コンクリート要素では、コンクリートをモルタル、粗骨材およびその界面の3つの領域からなる複合材料としてモデル化している。それらの3つの領域は複数の有限要素により表現されているため、各々の材料特性の非線形性を容易に考慮することが可能である。また、コンクリート要素は外部節点に関する自由度のみが解析に必要となるため、このような数値シミュレーションに起こりがちな自由度の多さにより解析が困難になるという問題を解決しており、効率的に解析を行うことが可能である。さらに、有限要素法を直接用いる「数値コンクリート」の手法に比べて、要素分割が簡単化されている。図-2にこのような有限要素を直接使用してコンクリートをモデル化した例と、コンクリート要素を用いた例を示している。なお、コンクリート要素は2次元および3次元のモデルが提案されている。 本研究では、コンクリートの中間微視的構造を対象とし、圧縮を受けるコンクリート内部における局部破壊の挙動に着目し、それがコンクリートの時間依存変形特性に対して、どの程度の影響があるかを、数値シミュレーションにより明らかにすることを目的とする。その際、コンクリート内部の微小領域の破壊等を、アイソパラメトリック2次元要素を用いたコンクリート要素よりもさらに細部に渡り把握するために、数値モデルを新たに検討する。 コンクリートに高応力が作用するとき、コンクリート内部では微細ひびわれが多数発生するが、本研究で検討するモデルでは、微細ひびわれの発生や相互作用等を把握できるものである。ここでは、対象を2次元に限定する。 5.まとめ 圧縮を受けるコンクリートの中間微視的構造の局部的破壊の影響を圧縮クリープ特性におよぼす応力比の影響を対象に数値シミュレーションにより検討し、その解析手法の適用性を確認した。 |
PDFファイル名 | 016-01-2025.pdf |