種別 | 論文 |
主題 | RCはりの降伏終了点に関する一考察 |
副題 | |
筆頭著者 | 高井茂信(岐阜大学大学院) |
連名者1 | 岩瀬裕之(関ヶ原工業) |
連名者2 | 六郷恵哲(岐阜大学) |
連名者3 | 小柳洽(岐阜大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 329 |
末尾ページ | 334 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 鉄筋コンクリート構造物の設計においては、靭性の概念を導入することが重要であり、靭性を設計に導入するためには、靭性の定量化の方法を確立することが必要である。 筆者らは曲げを受けるRCはりを対象として、エネルギー吸収能を用いて靭性を評価する方法について報告している。また靭性を評価する着目点として降伏終了点を提案しこれを解析的に求めた。降伏終了点は、曲げを受けるRCはり断面の破壊過程において、引張鉄筋のひずみが増加から減少に転ずる点である。前報では、鉄筋の応力ひずみ曲線は降伏後の応力が一定の完全弾塑性体として解析を行ったが、本研究では、降伏後応力が増加するいわゆる加工硬化がある曲線形状や連続繊維補強材のような降伏点が存在しない曲線形状でも取り扱えるように拡張した。また簡単な数値計算を行い鉄筋(補強材)の応力ひずみ曲線の形状がRCはりの破断限界鉄筋比、降伏終了点および消散エネルギーに及ぼす影響について検討した。 5.まとめ 本研究において得られた結論は以下の通りである。 (1)曲げを受けるRCはり断面の破壊過程を特徴づける点である引張鉄筋の降伏終了点について、前報では鉄筋の応力ひずみ曲線は完全弾塑性体として取り扱ったが、本研究では加工硬化がある曲線形状や連続繊維補強材のような降伏点が存在しない形状でも取り扱えるように拡張した。 (2)降伏終了点と鉄筋の破断点とが一致するような鉄筋比を破断限界鉄筋比と定義し、コンクリートおよび鉄筋の応力ひずみ曲線形状が破断限界鉄筋比におよぼす影響について検討した。 破断限界鉄筋比はコンクリートの応力ひずみ曲線下の面積にほぼ比例している。また、破断限界鉄筋比は鉄筋の破断強度ばかりでなく破断ひずみも大きく影響する。 (3)降伏終了点に至るまでの断面の消散エネルギーに及ぼす鉄筋比および加工硬化の影響について検討した。加工硬化を考慮した場合、考慮しない場合に比べて降伏終了点における引張鉄筋ひずみ、全体の消散エネルギー、引張鉄筋の消散エネルギーは減少する。逆にコンクリートの消散エネルギーは増加する。 |
PDFファイル名 | 016-01-2054.pdf |