種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリートはりの斜引張破壊に対する解析的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 真田修(日本道路公団) |
連名者1 | 古内仁(北海道大学) |
連名者2 | 上田多門(北海道大学) |
連名者3 | 角田與史雄(北海道大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 569 |
末尾ページ | 574 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 鉄筋コンクリートはりの斜引張破壊は、ぜい性的であり、終局に至るまでの耐荷挙動は非常に複雑である。特にせん断スパン比の大きいはり(約2.5以上)の破壊は、しばしば斜めひびわれが軸方向鉄筋を横切る位置から、支点に向かって水平方向に進展するひびわれを伴うことがある。 終局時には、斜ひびわれが、この水平ひびわれの発生とともに大きく開口し、載荷点付近のコンクリートの圧縮域を貫通して急激に耐力を失う。斜めひびわれ発生後から終局時までの過程では、作用せん断力は、ひびわれていないコンクリートの圧縮域、斜ひびわれ面での骨材のかみ合わせ作用、そして軸方向鉄筋のダウエル作用によって伝達されることが明らかにされている。しかし、それらの抵抗機構において各々が負担する作用せん断力の変化や開口変位、すべり変位の変化が斜引張破壊に及ぼす影響については未だに明らかにされていない。本研究は、破壊を誘発する斜ひびわれおよび軸方向鉄筋に沿った水平ひびわれの伸展を実験と解析の両面から調査し、斜引張破壊の挙動を明らかにしようとするものである。 6.まとめ 本研究において、斜引張破壊したはりについて、解析を行った結果、以下の知見が得られた。 (1)解析において、軸方向鉄筋に沿って発生する水平ひびわれを考慮したものとしないものの比較によって、はりのたわみ性状が異なることが示された。 (2)はりの終局耐力は、水平ひびわれを考慮することによって実験値に近い値を示した。また、終局時の破壊を決定する要因は、斜ひびわれと水平ひびわれの大きく開口した後、斜ひびわれ上端付近のコンクリートの圧壊となることが示された。 (3)斜ひびわれの開口変位及びすべり変位の増加は、水平ひびわれの発生が大きく影響していることが示された。 (4)斜ひびわれの外側の鉄筋(支点方向)は、水平ひびわれの発生によってひずみが急激に増大することが示された。 今回行った解析では、供試体1体(せん断スパン比=3.0)だけについて検討を行ったものであり、種々の要因が複雑に影響する斜引張破壊を言及するには、不十分である。今後、水平ひびわれ発生のメカニズムを正確にとらえるモデルの導出すること、また、断面やせん断スパン比の異なるはりや様々な載荷状態におけるはり等の解析を進めることによって、斜引張破壊の変形挙動及び耐荷性状を表すことを試みる予定である。 |
PDFファイル名 | 016-01-2094.pdf |