種別 論文
主題 RC連続梁のせん断力に対する実用的設計方法の検討
副題
筆頭著者 百瀬明貴(山梨大学大学院)
連名者1 桧貝勇(山梨大学)
連名者2 中村光(山梨大学)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
2
先頭ページ 575
末尾ページ 580
年度 1994
要旨 1.まえがき
単一、あるいは、対称な二点の集中荷重を受けるRC単純梁のせん断耐力は精度良く算定できるようになっている。しかし、連続桁やラーメン構造の部材では、単一の集中荷重下でも曲げモーメントはスパン内で正負に反曲する。また、単純梁であっても等分布荷重が作用する場合には、曲げモーメントは二次曲線状に、せん断力は直線的に変化する。このような場合のせん断強度、破壊性状には不明な点が多く、せん断力に対する合理的な設計方法は確立されていない。
桧貝は、せん断補強を行わないRC梁において、梁の各区間が潜在的に有しているせん断耐力は、梁の断面形状、鉄筋比、材料の性質などのほか、考慮している区間から支点および載荷点までの距離によって変化することを明らかにし、これを区間強度式として式(1)のように提案した。
Vu=R・V0=0.958・[coth(x/d)1]1.360[coth{(a/d)-(x/d)}]1.484・V0(1)
ここで、
V0:荷重および支点反力による影響を受けない場合の、断面の基本せん断耐力で式(2)による。
V0=0.94fc’1/8pw1/3(100/d)1/4・bW・d(2)
fc’:コンクリートの圧縮強度(kgf/cm2)
pW:引張鉄筋比=100・AS/(bW・d)(%)
d:有効高さ(cm)
bW:ウェブ幅(cm)
a:支点から載荷点までの距離(cm)
x:考慮している区間から支点までの距離(cm)
さらに、複数の集中荷重を受ける場合の破壊規準としては、いわゆる直線被害則を仮定して、式(3)を用いれば良いとしている。ここで、Vjは、各集中荷重によって当該区間に発生するせん断力である。
Σ{Vj/(R・V0)}=1(3)
これらの関係を適用して、部材の全区間についてせん断破壊荷重を求めれば、その最小値として部材の破壊荷重が、最小荷重を与えるxとして破壊区間の位置が求められる。
しかし、全ての区間について、また移動荷重を受ける場合には全ての荷重位置について、区間強度法による計算を行うのは、多大な計算労力を要するため、実用設計に向いているとは言えない。そこで、本論文では、区間強度法による試算結果を応用して、実用設計に用いることができる程度に簡略化した設計方法について考察することとした。
5.結論
区間強度法を用いて3径間連続RC中空床版橋のせん断破壊荷重等を試算し、その結果を応用して、せん断力に対する実用的で簡易な設計方法につい考察した結果、以下の結論が得られた。
1.せん断力に対する危険断面位置(x)は、式(5)によって近似できると思われる。
2.危険断面における作用せん断力の算定においては、最大せん断力図を式(5)によるSだけシフトすることができると思われる。
3.最大曲げモーメント図を用いて、構造物を単純梁および片持ち梁に置換し、置換した梁に上記の関係を適用することにより、せん断力に対する設計を簡易に、かつ、より合理的に行うことが可能であると思われる。
PDFファイル名 016-01-2095.pdf


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