種別 | 論文 |
主題 | 変形性能に着目した大型模型と小型模型実験の比較 |
副題 | |
筆頭著者 | 幸左賢二(阪神高速道路公団) |
連名者1 | 小林和夫(大阪工業大学) |
連名者2 | 村山八洲雄(鹿島建設) |
連名者3 | 吉澤義夫(建設技術研究所) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 2 |
先頭ページ | 611 |
末尾ページ | 616 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 道路橋のRC橋脚は、多くの場合、地震荷重によってその断面設計が決まることが多く、橋梁の耐震性において極めて重要な構造部材となっている。RC橋脚が通常規模の地震に対してのみならず、長期的な大規模地震に対して必要な耐震性を有するためには、十分な部材耐力に加えて、じん性に富んだ破壊モード特性を具備していなければならない。RC橋脚の耐力とじん性に関しては、これまで多くの実験研究が行われており、部材の破壊形態も鉄筋配置、コンクリートの材料特性等からかなりの程度まで予測できるようになってきた。しかし、従来の実験研究のほとんどが小型模型試験体によるものであったため、これらの部材挙動が実際の橋脚の場合にどの程度あてはまるのかは必ずしも確認されていない。そこで、この観点から都市内高速道路橋の橋脚を対象に、できるだけ実橋脚の配筋詳細を模擬した1/3縮尺の試験体を製作し、柱頭部での水平交番加力実験を行った。あわせて、従来の実験で使用された大きさで配筋状態も類似の1/10縮尺試験体の実験も行い、比較検討して従来の小型模型実験の実橋脚への適用性について調べた。 4.結論 柱筋の多段配筋や段落とし、帯筋の形状などをできるだけ実橋脚を模擬した大型試験体の交番水平加力実験を行った。また、既往の実験で用いられた試験体の大きさと配筋詳細を模擬した小型試験体による実験も行い、部材の変形性能の観点から両者を比較検討した。その結果、以下のことが明らかになった。 (1)大型試験体の荷重-変位関係は、小型試験体の場合とほぼ相似形となるが、じん性率は小型試験体の場合に比べて若干低下する。また、大型試験体では、ヒステリシスループによる吸収エネルギーが小型試験体に比べて相対的に小さくなる。これらの原因としては、部材断面内のひずみ勾配の影響、帯筋の長尺化に伴う拘束効果の低下、部材損傷範囲の減少等が考えられる。 (2)配筋を模擬した大型試験体の柱筋の抜け出し量は、小型試験体の場合よりも逆に大きな値を示す。これは鉄筋間隔が小さく多段配筋が抜け出し量に大きな影響を及ぼすためと考えられる。 (3)大型試験体の抜け出しに伴う基部回転分の全体変位量に占める割合は約25%であった。 |
PDFファイル名 | 016-01-2101.pdf |