種別 論文
主題 接合部にはり主筋を機械式定着した部分架構の強度と靭性
副題
筆頭著者 宮崎史(大成プレハブ)
連名者1 村上雅英(近畿大学)
連名者2 窪田敏行(近畿大学)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
16
2
先頭ページ 717
末尾ページ 722
年度 1994
要旨 1.はじめに
機械式定着では、定着金物の大きさを極力小さくすることが施工上の収まりの際、最も重要な課題である。そのひとつの解決法として、村井らは、はり主筋端部に圧節こぶを有する場合を想定した引き抜き試験を行い、その定着性能を実験的に調べている。今日ではネジ節鉄筋の普及にともない、定着板の鉄筋への緊結がナットを用いることにより容易になった。そこで本論文では、最小配筋間隔(鉄筋径の2.7倍)で使用可能な円形の定着板を定着金物とした機械式定着について、実用化のための実験資料を得ることを目的として、以下のような外部はり柱の部分架構の比較実験を行った。
4.まとめ
はり主筋の端部に設けた定着板の支圧面積比を実験変数としたト型試験体の比較実験を行った。そして、はりの曲げ降伏または接合部のせん断破壊に対する支圧面積の相違による影響について考察し、以下の知見を得た。
・支圧面積比の相違による最大耐力の顕著な差は、認められなかった。
・はり筋の抜け出しは、接合部のせん断破壊と密接な関係がある。しかし、接合部がせん断破壊した場合では、最大耐力以後のはり主筋の抜け出し量の増大が耐力低下へ与える影響は少なかった。
・折り曲げ定着では定着耐力の計算値と計測されたはり主筋の軸力の最大値が接近しており、定着破壊が接合部のせん断破壊を誘発したものと推測される。そのため、機械式定着よりも最大耐力が約20%低くなった。
・支圧面積比が1.7のナットを定着金物として用いた場合では、はり主筋降伏後に抜け出しが生じ、接合部のせん断破壊を併発し、耐力の低下がみられた。
・長方形一体型の定着板を用いた場合では、早期より接合部に変形が集中した。
・最小配筋間隔で配筋可能な円形定着板を用いたNo.101では、曲げ降伏後のはり主筋端部の抜け出しがほとんどなく、靭性能は良好であった。
・曲げ降伏後の圧縮鉄筋の押し抜き現象は、円形定着板を用いたNo.101のR=1/12以降でみられたが、力学的性質には何ら悪影響がみられなかった。
以上の結果より総合的に判断して、最小配筋間隔で配筋可能な円形定着板で定着したはり主筋を有する部分架構の強度と靭性に関しては、はりの曲げ降伏、接合部のせん断破壊の両破壊モードに対して、折り曲げ定着と同等以上の力学的性能を有することを確認した。
PDFファイル名 016-01-2119.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る