種別 論文
主題 SD70級鉄筋と高強度コンクリートを用いた2層RC骨組の実験
副題
筆頭著者 大本義直(東北工業大学大学院)
連名者1 但木幸男(東京職業能力開発短期大学校)
連名者2 笠松照親(西松建設)
連名者3 田中礼治(東北工業大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 919
末尾ページ 924
年度 1994
要旨 1.はじめに
高層RC造建物では、骨組を構成する各部材に相当に大きな応力が作用する。それらの高応力を処理する有効な手段の一つとして高強度鉄筋および高強度コンクリートの使用が考えられる。高強度鉄筋は、高応力への抵抗は勿論のこと鉄筋量の減少および過密配筋防止などに有効である。しかし、高強度鉄筋は普通強度鉄筋よりも高い付着、定着性能などを要求するので、通常高強度コンクリートとの併用が好ましい。さらに、建物の高層化によって柱の軸方向力が増加するため普通コンクリートでは断面寸法の増大が避けられないが、高強度コンクリートの利用は柱断面寸法の増大を防ぎ下層階の空間の有効利用が可能になることからも、高層RC造では高強度コンクリートの利用が好ましい。そのようなことから本報ではSD70級の高強度鉄筋を主筋として用いた曲げ降伏型骨組でコンクリート強度を高強度(Fc=800kgf/cm2)と普通強度(Fc=250kgf/cm2)の2種に変化させ、高強度鉄筋を主筋とした曲げ降伏型骨組の耐震性能に及ぼすコンクリート強度の影響、即ち、高強度コンクリート利用の有効性について実験的に検討することを目的としている。
7.まとめ
本実験より次のことが認められた。
1)柱の軸応力度をσ0B/8にした場合、高強度コンクリートを用いたものの方が履歴ループの逆S性が少なくなる傾向が見られる。
2)高強度コンクリートを用いた2F70-800は層間部材角R=2.1/100rad.程度で崩壊メカニズムに達するが普通コンクリートの2F70-250ではR=3.0/100rad.と崩壊メカニズムに達する層間部材角が大きくなる。
3)ヒンジゾーンの範囲は部材角R=2.1/100rad.では高強度コンクリートの2F70-800の方が普通コンクリートの2F70-250よりも大きい。これは、普通コンクリートの2F70-250の場合、主筋の基礎からの抜け出し量が大きいことが影響しているものと考えられる。
4)等価粘性減衰定数は高強度コンクリートの2F70-800の方が普通コンクリートの2F70-250よりも大きい傾向を示した。
5)文献に提案した材端バネの履歴ルールを用いて材端バネ法で骨組解析した結果、普通コンクリートの2F70-250は精度よく追跡できたが、高強度コンクリートの2F70-800ではあまりよい適合性を示さなかった。これは今後の課題である。
PDFファイル名 016-01-2153.pdf


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