種別 論文
主題 落石覆工用実大PC桁の衝撃破壊実験
副題
筆頭著者 佐藤昌志(北海道開発局)
連名者1 岸徳光(室蘭工業大学)
連名者2 三上隆(北海道大学)
連名者3 西弘明(北海道開発局)
連名者4
連名者5
キーワード
16
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先頭ページ 943
末尾ページ 948
年度 1994
要旨 1.はじめに
落石覆工構造物において、PC製覆工はRC製覆工とともによく用いられる構造形式の一つである。また、将来の人手不足や工期短縮を考える場合にはますますPC製覆工の需要が多くなるものと予想される。筆者等は、落石等による衝撃荷重載荷に対するPC覆工の合理的設計手法の確立のため、各種緩衝材を用いた実大規模のPC多主桁に関する大型弾性衝撃実験を行っている。
一方、福井県越前海岸の岩盤崩壊によるPC覆工の倒壊事故以来、衝撃荷重載荷時の構造形式を含めたPC製覆工の耐荷力評価の重要性が指摘され、実験的、理論的検討が行われるようになった。松葉等は、実物PC製シェッドを用いた破壊実験を行い、シェッドは横締めをした場合には落石対策便覧に基づいて設計した値に対して15倍以上、また破壊計算値に対して5倍以上の安全率を保持していることを確認している。また、園田等はPC覆工の破壊に至るまでの数値シミュレーションを個別要素法を用いて検討している。しかしながら、この分野の研究の歴史も浅く、衝撃荷重載荷時のPC桁の耐力算定法は未だ確立されていないのが現状である。
本研究は、このような背景のもとに、PC覆工の基本構造であるPC単桁の衝撃荷重載荷時の耐荷性状を検討するために、上述の文献の実験に供された実大桁を用いて5tfの重錘による重錘落下衝撃実験を行ったので報告する。本研究では合計6本の実大桁を用いて行った。1本は繰り返し載荷による桁の損傷の進展過程に関する検討のために用い、他の5本は落下高さか10mから最大30mまでの単一載荷に対する動的挙動および損傷程度に関する検討のために用いている。
5.まとめ
PC製覆工の基本構造であるPC単桁の衝撃荷重載荷時の耐荷性状を検討することを目的として、実大PC桁に緩衝材として1m厚のEPS材を設置し、5tfの重錘を用いた重錘落下衝撃実験を行った。本実験では3tfの落石が高さ10mより落下する場合を想定して落石対策便覧に基づいて設計された純スパン5m、桁高90cmでポストテンション方式でプレストレスを導入したPC桁を用いている。本実験で得られた結果を要約すると、
1)PC桁は落下高=2m程度までは弾性的に挙動している。
2)落下高H=5mでは静的換算の荷重が177.2tfで、設計荷重128.3tfより大きな値になっており、桁下縁にひびわれか発生した状態となっている。
3)最大落下高さがH=15mであるPC-Rのひびわれ状況はPC-15とPC-20の中間的なものとなっており、繰り返し載荷と単一載荷で著しい差異は示されていない。
4)PC-10〜-20は載荷点部と支点近傍部間にアーチ作用が形成され類似のひびわれモードを示している。
5)PC-25、-30は載荷点部が壊滅的に破壊され崩壊状態である。また、PC-20までの桁の折れ角は0.05ラジアン以下であるのに対し、PC-25、-30は約0.2ラジアン以上で前者のほぼ4倍以上の大きさとなっており、本実験で用いたPC桁に対する限界衝撃荷重は5tf重錘で落下高さが20mの場合であると推察される。
PDFファイル名 016-01-2157.pdf


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