種別 論文
主題 PRC部材の長期変形挙動の検討
副題
筆頭著者 山本浩嗣(宇都宮大学大学院)
連名者1 佐藤良一(宇都宮大学)
連名者2 涌井一(鉄道総合技術研究所)
連名者3 落合勝(オリエンタル建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 973
末尾ページ 978
年度 1994
要旨 1.まえがき
超高速鉄道構造物などにみられるように、構造物の多様化によって、コンクリート構造物にも厳しい変形制御が求められるケースが出てきた。この傾向はコンクリートの高品質化によって今後益々増加することが考えられる。一方、たわみやひび割れ幅の制御に有効なコンクリート部材としてPRC部材が知られている。PRC部材の長期変形やひび割れ幅に関する研究は、既に鈴木や大野らによってなされているが、コンクリートの応力履歴や引張剛性の影響の観点からの検討は必ずしもなされていない。また、Elbadryらは、コンクリートの応力履歴や引張剛性を考慮してPRC部材の変形の計算を行っているが、実験による検証は行われていない。
そこで、本研究では、先ず、プレストレス量、引張鉄筋比、圧縮鉄筋比をパラメーターとするRC、PRCおよびPC部材の短期および長期変形、ひび割れ特性を実験的に検討した。ついで、クリープに及ぼす載荷時材齢の影響を考慮してプレストレスの導入から長期材齢に至るまで連続的にひび割れ断面および全断面有効領域断面のクリープ解析を行った。これに基づいて、CEB MODEL CODE90(以下、MC90)によるコンクリートの引張剛性を用いて変形解析を行い、実測値と比較してテンションスティフニング効果について検討した。さらに、既往の代表的な方法によって、ひび割れ幅の検討も併せて行った。
6.結論
クリープに及ぼす載荷時材齢の影響を詳細に考慮して、ストレス導入から長期に至るまで連続的にPRC部材断面のクリープ解析を行い、PRC部材の長期載荷実験結果と比較、検討した。これにより、本研究の範囲内で得られた主な結論は以下の様である。
1)本クリープ解析によって、ストレスロスにともなう曲率、鉄筋ひずみの増加は精度良く予測された。しかし、曲率についてはプレストレスが大きくなれば過小評価する傾向がみられた。
2)プレストレス量が相対的に小さく鉄筋応力度が1300kgf/cm2を越える場合にはひび割れ断面の計算によって圧縮ひずみ、曲率を比較的高い精度で予測できる。しかし、断面下線のプレストレスが40kgf/cm2を越え鉄筋応力度が1300kgf/cm2以下となる場合には、テンションスティフニングの影響を考慮する必要がある。
3)静的時、持続載荷時ともにプレストレス量が大きくなれば変形は小さくなる。しかし、持続載荷による増加量はプレストレス量にはあまり依存しない。この結果、プレストレスの増大に対応して大きくなるCEB MC90に基づいて得られた計算値と異なった。
4)土木学会、CEB Manual、MC90の3つの方法の中では、土木学会の方法が、最大ひび割れ間隔、最大ひび割れ幅の両者に対して、最も高い予測精度を示した。しかし、土木学会の方法は静的時と長期材齢における最大ひび割れ幅を同等の精度で予測することは出来ない。
PDFファイル名 016-01-2162.pdf


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