種別 論文
主題 連続繊維補強材を用いた連続はりのモーメント再分配に関する実験的研究
副題
筆頭著者 手塚正道(オリエンタル建設)
連名者1 落合勝(オリエンタル建設)
連名者2 鳥取誠一(鉄道総合技術研究所)
連名者3 佐藤良一(宇都宮大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1057
末尾ページ 1062
年度 1994
要旨 1.まえがき
適切に設計された不静定コンクリート構造物では、終局に至る過程において、ひび割れによる部材剛性の低下、および鋼材の降伏に伴う塑性ヒンジの形成により、曲げモーメントの再分配が起こる。
このことが構造物の終局耐力に大きな影響を与えることになる。
これに対し、連続繊維補強材(以下、FRP補強材という)を用いた不静定コンクリート構造物の設計では、FRP補強材が塑性域のない弾性体であるため、ひび割れの発生による部材の剛性低下の影響は考慮するが、塑性変形による再分配は考慮しない考え方が示されている。繊維破断型曲げ破壊の場合には、上記の考え方が適切であると考えられる。しかし、曲げ圧縮破壊の場合には、コンクリートの塑性変形が曲げモーメントの再分配に影響を与えることも想定される。これまで、これらの点に関する研究も行われているが、定量的な評価を得るには至っていない。
そこで、本研究では曲げ圧縮破壊が想定される二径間連続はりを対象として、FRP補強材のヤング係数、プレストレス量等が再分配挙動にどのように影響するかを実験的に検討することとした。
4.まとめ
本研究で得られた結果は、次の通りである。
(1)FRP補強材を用いたPC部材において、通常の設計で用いるコンクリートの応力-ひずみ関係を用いて、曲げモーメントの再分配挙動を解析した結果と実験結果は、ある載荷段階までは比較的良く一致した。しかしながら、部材の破壊段階までは評価できず、今後、コンクリートの応力-ひずみ関係を含めさらに詳細な検討の必要性が認められた。
実験結果からは、FRP補強材のヤング係数の影響はなく、中間支点において、-11%の曲げモーメントの再分配が生じた。この場合の終局に至る挙動は、鋼材を補強材として用いた場合と異なり、大きな部材剛性の変化はなかった。
(2)FRP補強材を用いたRC部材では、せん断ひび割れの影響により、解析結果と実験結果は大きく相違した。せん断ひび割れが生じる場合には、この影響を考慮して曲げモーメントの再分配挙動を検討することの必要性が認められた。
PDFファイル名 016-01-2176.pdf


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