種別 論文
主題 定着用膨張材を用いたFRP緊張材の定着機構の一考察
副題
筆頭著者 原田哲夫(長崎大学)
連名者1 ミョーキン(鹿児島大学)
連名者2 徳光卓(富士ピー・エス)
連名者3 出光隆(九州工業大学)
連名者4
連名者5
キーワード
16
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先頭ページ 1135
末尾ページ 1140
年度 1994
要旨 1.まえがき
筆者らはFRP緊張材をソフトタッチで確実に定着できる特長をもつ、定着用膨張材を用いた定着法を開発し、基礎的な研究を行ってきている。この方法を現場施工に適用するには、2通りの緊張定着システムが考えられる。一つは、鋼管(スリーブ)にFRP緊張材を通し、鋼管とのわずかな隙間に定着用膨張材を充填し、硬化・膨張して緊張材と一体になった鋼管自体を緊張し、ナット定着する方法である。もう一つは、まず定着体となるスリーブを所定の位置にセットして、FRP緊張材を挿入し緊張を行う。次に緊張した状態で定着用膨張材を充填して、所定の膨張圧が発生した段階で、緊張端の仮定着をゆるめ、定着する方法である。前者、後者それぞれ、便宜的に(I)法、(II)法と呼ぶことにする。鋼製の定着体とする場合には、実用上は(I)法で十分と考えられるが、FRP緊張材の特長を活かすためには、定着部も含めて、オールノンメタリックとすることが望まれる。一方、(II)法では、長期載荷実験(初期緊張力12tf、定着長30cm、試験区間80cm、CFRPストランド)において、3年後の緊張力低下が3%以下とわずかであり、緊張力の低下はほとんど見られないことを確認している。したがって、ノンメタリック定着体の場合には、現場での施工性や定着効率、上記の結果等を考慮すれば、(II)法の方が適していると考えている。この場合、設計上問題となるのは、所定の緊張力の定着および緊張材の破断までに必要なスリーブ長をいくらにとればよいかである。
以上、必要スリーブ長の決定には、(I)法、(II)法いずれを採用する場合においても、それぞれの定着機構を明らかにしておく必要がある。
そこで、本論では(I)法、(II)法について、CFRPストランド、組紐状AFRPを用いて基礎的な実験を実施し、定着用膨張材による定着機構に関しての考察を行った。なお、FRP緊張材に限らず、(II)法による定着機構を明らかにすることは、最近注目されている緊張されたPC鋼材の中間定着の設計においても重要と考えられる。
5.まとめ
(I)法、(II)法とそれぞれに口元ナット定着、後部ナット定着が考えられ、それらの定着機構について、実験結果に基づく定性的な考察を行った。その結果、(II)法で定着された状態でさらに引張力を作用させた場合の必要定着長は、L=La+Lbで与えられるという知見を得た。
PDFファイル名 016-01-2189.pdf


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