種別 論文
主題 ピロティ式RC造建物の地震時立体弾塑性挙動
副題
筆頭著者 傳金華(ピー・エス)
連名者1 柴田明徳(東北大学)
連名者2 井上範夫(東北大学)
連名者3 斉藤大樹(東北大学)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1301
末尾ページ 1306
年度 1994
要旨 1.はじめに
近年、駐車場不足を解消するため、住棟1階に駐車場を設置し、1階の耐震壁を取り除いた建物、いわゆるピロティ式建物(混用構造とよぶケースもある)が数多く建てられている。本研究の対象となる中・高層混用構造では、桁行き方向を純ラーメン構造、張り間方向を1階ピロティのある連層耐震壁構造としている。試設計における崩壊機構は、桁行き方向では梁崩壊型の全体降伏機構を想定し、張り間方向では2層耐震壁部のせん断降伏機構を想定している。桁行きと張り間方向の構造形式や期待する耐震性能が異なることから、地震時には両方向の架橋が達成する複雑な弾塑性挙動を示すものと予想される。本解析では、1方向静的及び2方向動的地震入力を受ける立体骨組モデルを解析することにより、1階にある耐震壁及び柱のせん断力の負担率、スラブのせん断応力度及び柱の軸力変動を検討した。
5.結論
本研究では、ピロティ式8階建の鉄筋コンクリート造建物を立体骨組にモデル化し、張り間方向の弾塑性静的増分解析及び地震応答解析を行った。その結果、以下の結論が得られた。
(1)1階に適量の耐震壁を配置することは必要である。耐震壁により、1階層せん断力の大部分を分担し、純ラーメンフレームのピロティ部における柱の負担を軽減することができる。
(2)1階の壁フレームと純ラーメンフレームの間で、上層部から伝わってきたせん断力が再配分される。2階以上の各壁フレームに作用するせん断力の差は小さいが、1階では、純ラーメンフレームのピロティ部のせん断力が激減し、大きなせん断力が壁フレームのほうに移動した。
(3)本解析では妻壁に近いスラブは中央部スラブの3倍ぐらいのせん断力を負担していることが分かった。1階でのせん断力の再配分を保証するには、この部分の剛性確保が必要である。
(4)本解析例では、1階の隅柱の軸力変動は主に張り間方向の地震動入力によるものであり、2方向地震動の同時入力によって、建物の隅部にある壁柱の軸力は張り間方向の1方向入力に対して増加する割合は最大1.2倍程度であった。
PDFファイル名 016-01-2217.pdf


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