種別 報告
主題 増粘剤を用いた省力化施工コンクリートの密閉空間への適用実験
副題
筆頭著者 浜崎勝利(五洋建設)
連名者1 守分敦朗(東亜建設工業)
連名者2 佐野清史(東洋建設)
連名者3 福手勤(運輸省)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 55
末尾ページ 60
年度 1994
要旨 1.はじめに
 近年、沈埋トンネルなどで鋼殻の内部にコンクリートを充填する鋼コンクリートサンドイッチ構造の適用が検討されている。
このような鋼殻コンクリート構造物は、周りを鋼殻に囲まれているため、内部振動機による締固めが困難であり、そのため、鋼殻内部に打設されるコンクリートは、自ずと締固めを行わなくても高い充填性と材料分離抵抗性を併せ持ったコンクリートが必要となる。筆者らはセルロース系増粘剤と高性能減水剤の添加によって高い充填性と材料分離抵抗性を併せ持つ省力化施工・高信頼性コンクリート(以下、省力化施工コンクリートと称す)の開発を進めている。本稿は増粘剤をアジテータトラックヘ後添加する方法で製造した省力化施工コンクリートを用いて密閉空間内部へ打設した場合の充填性および硬化コンクリートの特性について検討を行ったものである。
4.まとめ
 セルロース系増粘剤をアジテータトラックヘ後添加し撹拌混合する方法で省力化施工コンクリートを製造し、一連の実験を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。
(1)このコンクリートは、密閉空間内部に振動機なしで十分充填可能であることが確認された。
(2)アジテータトラックで増粘剤および高性能減水剤を後添加して撹拌を行う場合、撹拌時間は10分より長くする必要がある。
(3)流動距離9m地点でフレッシュコンクリートを採取したところ、スランプフロー、ボックス試験値および空気量は打設前コンクリートと同等の品質を維持していることが確認された。
(4)コア抜き供試体において、圧縮強度は350〜550kgf/cm2となり、設計基準強度を満足した。
(5)コア抜き供試体において、粗骨材分布は流動距離が5.6mまでは31.5〜82.4%とほぼ一定の値となった。しかし、流動距離が7.9mのコア抜き供試体において粗骨材面積率は85.8%となり、下流側で幾分材料分離がみられた。
(6)単位容積質量は上部よりも下部の方が0.05g/cm3程度大きくなった。さらに、ヤング係数も上部より下部の方が大きな値となった。
 今後の課題として、コア抜き供試体の圧縮強度、ヤング係数のばらつきの原因追求が挙げられる。また、省力化施工コンクリートの少量打設を考えた場合、増粘剤および高性能減水剤のアジテータトラックヘの後添加方法は非常に有効な方法であるので、今後もデータの蓄積を図る予定である。
PDFファイル名 016-02-1006.pdf


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