種別 報告
主題 f'ck=1,000kgf/cm2シリカフユーム超高強度コンクリートのPC橋への適用
副題
筆頭著者 三井健郎(竹中工務店)
連名者1 米澤敏男(竹中工務店)
連名者2 横田勉(オリエンタル建設)
連名者3 手塚正道(オリエンタル建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 289
末尾ページ 294
年度 1994
要旨 1.はじめに
 超高層RC集合住宅の開発に端を発したコンクリートの高強度化技術は1980年代に急激な発展をみせ、今日では設計基準強度が400〜600kgf/cm2クラスの高強度コンクリートの現場打設が可能となっている。これらのコンクリートは概ね水セメント比が30〜40%の範囲にあるが、更に高強度化を図るために、水セメント比を30%以下とすると、コンクリートの粘性が極めて高くなり、流動性の経時変化が大きいなどの理由から、現場打設は困難であった。また高強度コンクリートの強度発現と流動性向上に効果の高い粉末シリカフュームは、貯蔵、搬送、計量が困難なことから生コンクリートプラントでの利用が制約されていた。こうした理由から設計基準強度が1,000kgf/cm2クラスの超高強度コンクリートを実際の構造物に適用することは従来の技術では困難であった。
 筆者らは、粉末シリカフュームを生コンクリートプラントで利用する設備を開発するとともに、水セメント比が20%と極めて小さい領域でもコンクリートに高い流動性を確保しその経時変化が小さい新しい超高強度コンクリート用の高性能減水剤を開発することにより、現場打設可能な施工性を持つ設計基準強度1,000kgf/cm2の超高強度コンクリー卜を実用化した。
 PC橋CNTスーパーブリッジは2棟の建物間を結ぶ連絡歩道橋であるが、外観デザイン上の理由から、約40mのスパンを橋脚なしで結ぶことが要求された。このためコンクリート構造物としては我国で最高強度となる設計基準強度1,000kgf/cm2の超高強度コンクリートを適用することにより桁高スパン比1/40というコンクリート単純桁橋としては例のない極めてスレンダーな形状を実現することとした。本報告はこうした技術開発から可能になった設計基準強度1,000kgf/cm2の超高強度コンクリートをプレストレストコンクリート橋に適用した例について、コンクリートの材料、配合、製造、及び施工時の品質について報告するものである。
6.まとめ
(1)粉末シリカフュームのプラント設備及び超高強度コンクリート用高性能減水剤の開発により生コンクリートプラントで、現場打設が可能な流動性を持った設計基準強度1,000kgf/cm2の超高強度コンクリートが製造・出荷ができた。
(2)新高性能減水剤により、超高強度コンクリートは、運搬時間が2.5時間でも、品質の経時変化は小さく、現揚打設できる流動性を保持することができた。また、材齢5日でのプレストレス導入、及び材齢28日で構造体コンクリート強度が設計基準強度を満足する十分な強度発現が得られた。
(3)設計基準強度1,000kgf/cm2という現在わが国の現場打設コンクリート構造物では最高の強度の超高強度コンクリートの使用により、桁高スパン比1/40というスレンダーな橋梁の現場施工が実現できた。
PDFファイル名 016-02-1046.pdf


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