種別 | 報告 |
主題 | 還元期スラグ−石膏系セメントの基礎特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐野和也(豊田中央研究所) |
連名者1 | 宮下莞爾(愛知製鋼) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 313 |
末尾ページ | 318 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 製網スラグのうち電気炉で発生する還元期スラグは、冷却時、スラグ中に含まれるビーライト(2CaO・SiO2)のα相からγ相への結晶転移により風壊するものがある。また、スラグ構成物の一つとして存在するカルシウムアルミネート(12CaO・7Al2O3)は、高炉スラグのようにポルトランドセメントと混合して使用する場合、使用条件によっては硬化不良、あるいはエトリンガイト水和物の異常膨張が生ずるため、建築土木材料としての用途が未だ確立されていない。 しかし、最近になり、12CaO・7Al2O3は無水石膏系を添加する事により、超高強度、超早強セメント混和材として使用されつつある。また、γ相ビーライト(以下γ−C2Sと略)は、炭酸イオンの存在下、あるいは低水セメント比で硬化する報告もなされるようになっている。 そこで、本研究では、両水和鉱物を含む還元期スラグに石膏を添加し、得られたセメントペーストの物性を把握した。また、石灰砂および硅砂を骨材としたモルタルを作成し、同様な物性等を測定した。 5.結論 1.製鋼還元期スラグに石膏を添加する事により、超早強、超高強度ペーストが得られた。 2.無水石膏を用いたペーストの経時寸法変化は、ペーストが破壊するほど大きかったが、脱硫石膏を用いたペーストは0.15%(4年間)と小さかった。 3.ATKセメント用骨材には、石灰砂が適していた。 4.製鋼還元期スラグ−石膏系セメント:石灰砂=1:1としたモルタルの経時寸法変化は0.04%以内であった。 5.製鋼還元期スラグ−石膏系セメントを用いたペーストおよびモルタルの強度発現は、エトリンガイトの生成以外にγ−C2Sの水和によるものと考えられる。 6.ペーストの風化する条件は、表層で発生する水の乾燥吸水の繰り返しと、炭酸ガスの存在が必要である。 |
PDFファイル名 | 016-02-1050.pdf |