種別 | 論文 |
主題 | 加圧注入法とベンチレーション法の併用による実大サイロ構造物の透水性評価実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 伊藤洋(熊谷組) |
連名者1 | 西岡吉弘(熊谷組) |
連名者2 | 板口雄彦(熊谷組) |
連名者3 | 藤原愛(原子力環境整備センター) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 16 |
号 | 1 |
先頭ページ | 723 |
末尾ページ | 728 |
年度 | 1994 |
要旨 | 1.はじめに 廃棄物貯蔵・処分サイロや液体燃料貯蔵ピットなどコンクリート構造物においても高水密性が要求されるようになってきている。しかし、コンクリートの透水性に関してほとんどがコンクリート母材単体のものであって、構造物全体や大型構造物で発生すると考えられる止水欠陥(ひびわれ、打継目、セパレータ等)の評価を行なったものは少ない。一方、大型構造物であるとこういった止水欠陥を補修することも容易でなく、特に有効な方法は見いだされていない。 本研究では、こういった背景にあって、止水欠陥を有するサイロ構造物の透水性を評価すること、及び著者らが開発している懸濁液グラウトによる止水処理工法の有用性を確認することを目的として、実大サイロ構造物を構築し、止水処理前後で透水試験を行い、構造物全体及び止水欠陥部の透水性評価を行なった。透水試験では、構造物規模に対応した容量と精度を確保することと極めて小さい漏水量までの評価が必要であることから特殊に設計された加圧装置により注入量を測定し、また、水蒸気浸出量まで測定可能なベンチレーション法を適用して浸出量を測定した。その結果、工学的に有用な知見が得られたのでここに報告する。 6.まとめ 本研究により、得られた主な結果を整理すると以下のようになる。 (1)構造物全体及び各止水欠陥部や健全部の透水試験を行い、10−13m/sといった水蒸気拡散が卓越するオーダから液状水の漏水となる10−6m/s程度まで幅広い範囲にわたって精度よく評価できた。 (2)ベンチレーション法試験は、水蒸気浸出レベルでの漏水量の測定に有用であり、実スケールの構造物にも適用できることが認められた。 (3)微粒子セメントとシリカフュームを用いた懸濁液グラウト工法は、ひびわれ幅が0.1mm〜0.2mm程度の実大構造物におけるひびわれの止水処理に有用であることが認められた。 (4)本試験で用いたサイロ構造物では、ひびわれ及び打継目が主な漏水対象となったが、止水処理後のひびわれの総漏水量は健全部のそれより小さくなるまで低下した。 本透水試験は、縦続して実施しており、今後透水性の長期的な変化特性や止水処理施工の長期的安定性等について検討を行う予定である。 |
PDFファイル名 | 016-02-1119.pdf |