種別 報告
主題 実橋床版の下面増厚による補強確認試験
副題
筆頭著者 石井孝男(石川島播磨重工業)
連名者1 渡辺裕一(奈良建設)
連名者2 佐藤貢一(奈良建設)
連名者3 川合初雄(日本道路公団)
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 1037
末尾ページ 1042
年度 1994
要旨 1.はじめに
 鉄筋コンクリート(以下RCと記す)構造物は建設構造物の中で最も多く使用される構造形式の一つであり、その理由としては建設コストが低く、メンテナンスフリーの半永久的な構造物として考えられてきた。しかしながら、当初想定したより早期にその劣化および損傷が報告されて久しく、その原因として道路構造物にみられるような重量交通による疲労劣化等が上げられる。また特に鋼橋RC床版は走行車両の重量規制も大型化され、早急な対応が望まれている。
 本研究は鋼橋RC床版の損傷に対し床版下面に所定の鉄筋を配置し、PAE系特殊ポリマーモルタル(ポリアクリル酸エステル共重合体系ポリマーモルタル:以後PPモルタル)で一体化する下面増厚工法について論じたものである。この工法は交通規制を必要とせず、天候等の制約を受けず施工が可能であり、さらに既設床版と施工部の一体性が高くRC部材として機能を十分に発揮できる等の利点を有している。本報告では実橋の補強効果を確認する目的で、RC床版の施工前後(6ヵ月後、1年後)における諸性状を計測し、その結果を解析した。また既設床版と施工部の一体性も確認した。
5.まとめ
 施工後において床版下面にひびわれは発生せず、既設床版に発生していたひびわれ箇所においてもひびわれは観測されなかった。レインフロー法により計測した結果、本工法は既設床版の鉄筋に作用する応力度、床版のたわみ変位量を低減し作用頻度を減少させ、車両走行に対して床版の耐久性を向上させることができるものと考えられる。また本工事は交通開放下での施工であったが十分な付着強度が得られ、既設床版と増厚床版とが一体となって機能しているものと考えられる。さらに6ヵ月後及び1年後の計測では、ほぼ同様な補強効果の確認と継続性が示された。
 床版を梁に近似した解析手法を用いることによって、既設床版の主鉄筋応力度の低減率に近い低減率が実測で得られたことから、理論上期待される補強効果が発揮されているものと言える。
 本施工は人力によるコテ塗り作業で増厚したが、施工の合理化及び効率化が今後の課題と言える。
PDFファイル名 016-02-1172.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る