種別 報告
主題 一括打設されたアーチリブコンクリートの施工時の挙動
副題
筆頭著者 浅沼潔(日本国土開発)
連名者1 竹下治之(日本国土開発)
連名者2 大野幹雄(日本国土開発)
連名者3 田中正和(日本国土開発)
連名者4
連名者5
キーワード
16
1
先頭ページ 1251
末尾ページ 1256
年度 1994
要旨 1.はじめに
 コンクリートアーチ橋の架設方法としては、メラン工法やカンチレバー工法など種々あるが、アーチ支間が比較的短かく、しかも、支保工の組立てが容易な場所では、一般に、支保工形式で施工される例が多い。この場合、アーチリブ部のコンクリート(以下、リブコンクリートと称す)の打込みにあたっては、支保工の変形によって既設のコンクリートに過大な変形が生じないように、アーチリブ両端のスプリンギング部を後打ちするなどの配慮がなされている。
 しかし、アーチ支間が比較的短く、リブコンクリートの打込み量が比較的少ない場合には、支保工の難しさ、変形の複雑さ、あるいは新旧コンクリートの打継部の一体性や工期などの点を考慮すると、スプリンギング部からクラウン部まで連続して一括打設する方が、コンクリートの品質や施工性の面で有利になる場合もあるものと考えられる。
 本報告では、このような条件のもと、一括打設方法で施工されたリブコンクリートの計測結果をもとに、打込み時のスプリンギング部の挙動について検討を行うとともに、コンクリート硬化時の温度応力に関するコンクリートの物理的特性について報告する。
5.まとめ
 比較的小規模のコンクリートアーチ橋の施工において、アーチリブコンクリートの打込みをスプリンギング部からクラウン部まで連続して一括打設で行い、その施工時および硬化時の計測結果から、スプリンギング部の挙動ならびに温度応力に関するコンクリートの物理的特性について検討を行った結果、以下のことが明らかとなった。
(l)本橋と同規模程度のコンクリートアーチ橋を施工する場合は、遅延形混和剤を使用する、打込み速度を速くするなど、スプリンギング部のコンクリートの変形能力を大きくするための対策を講じることによって、ひび割れを発生させることなく、アーチリブコンクリートの一括打設を行うことができるものと考えられる。
(2)本橋のようにトラス支保工を採用し一括打設をする場合は、両端部近傍のコンクリート打込みによる、スプリンギング部の最大引張ひずみについて事前に検討する必要があるが、その後の打込みによる悪影響は少ない。また、施工後に発生するコンクリート硬化時の温度応力によっても、ひび割れ発生に対する悪影響は特にないものと考えられる。
(3)本計測の範囲では、コンクリート硬化時のクリープ係数は温度上昇時で1.53〜1.75、温度が外気温とほぼ平衡状態となる材齢約8日で0.8〜0.92であった。従って、弾性係数低減率は、温度上昇時で約0.38、温度降下時は材齢とともに減少し材齢約8日で0.52〜0.56となった。
PDFファイル名 016-02-1209.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る