種別 報告
主題 セグメントボルトボックスの吹付けによる充填工法の開発
副題
筆頭著者 池田捷也(ポゾリス物産)
連名者1 家壽田昌司(東京都)
連名者2 麻廣(鹿島建設)
連名者3 本橋賢一(鹿島建設)
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 1263
末尾ページ 1268
年度 1994
要旨 1.はじめに
 東京都は中小河川上流部流域の急速な都市化に伴う流域の保水・遊水機能の低下による水害に対する治水事業を展明しているが、河川の拡幅は用地の確保が極めて困難なこともあり、都道環状七号線(環七)の地下40〜50mに「環七地下河川」を建設することを計画した。
 「神田川・環状七号線地下調節池」は、この「環七地下河川」を緊急を要する神田川の部分(内径12.5m、延長4.5km)から先行して整備し、当面これを調節池として使用するものである。これによって神田川と善福寺川から合計54万m3の水を取り入れることが可能となり、環七から淀橋までの間では現状のまま時間50ミリ程度の降雨に対して安全性が確保されることになる。また、これまで改修できなかった環七より上流の河川整備も進めることができるようになる。
 現在第一期事業として進めている「神田川・環状七号線地下調節池工事」全長2kmにおける施設ならびにセグメントの概要を表−1に示す。このシールドを構成するセグメントはボルトで締結されるため、写真−1に示すように多くのボルトボックス、あるいは把持金物用の穴が残る。二次巻きコンクリートは施工されないため、スムースな水の流れの確保とボルトの防食の観点から、これらのくぼみをモルタルで充填する必要がある。この部分の充填には、従来はモルタル注入や硬練りモルタルの塗り付けが行なわれていたが、本工事ではボルトボックスと把持金物合わせて17万個にもおよぶ箇所を効率よく充填する必要があって、吹付けによる充填工法を開発したものである。
 吹付けに用いた材料は補強繊維等で構成されたプレミックス材で、これを用いることにより深さ40cmの孔への上向き吹付けが可能で、必要強度、低はね返り等、施工性、品質および効率を満足する充填が可能となった。
 本報告は、吹付け材の選定のための模擬試験体を用いた施工試験、実セグメントを用いた充填モルタルとセグメントとの付着試験、ならびに実工事について取りまとめたものである。
5.まとめ
 大型RCセグメントボルトボックスのモルタル充填を目的とした本工法の開発に当たっては、作業の効率化、天井面でも剥落しない付着性、平滑な仕上げ性、安全な作業性、作業の省力化を主眼とした。本吹付け工法は、これらの目的を満たし、現在工事は予定を上回る効率で進行している。
 今後、大断面のシールドトンネル工事はますます増加すると考えられ、本報告がこれらの工事に参考となれば幸いである。
PDFファイル名 016-02-1211.pdf


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