種別 報告
主題 純引張力を受ける合成版式ケーソンの接合部の構造と耐荷力
副題
筆頭著者 清宮理(運輸省)
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キーワード
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先頭ページ 1175
末尾ページ 1180
年度 1994
要旨 1.はじめに
外洋から臨海部へ波浪の進入を防止する波浪制御構造物は、通常箱形の鉄筋コンクリート製で建設される。水理的な合理牲やコンクリート被覆ブロックの省略化から図-1に示す特殊な構造様式の構造を持ったケーソンが現在提案されている。この波浪制御構造物は、静岡県下田港の水深-40mの湾口に建設中である。消波ブロックを箱形ケーソンの前面に積む従来の方法では工費が増大するので、ケーソンの上部に積む方法をここでは採用した。このことから消波ブロック内蔵双胴型ケーソンと呼ばれている。ケーソンの高さは23.5m、底部での幅は33.5m、奥行きは22.0mである。重量は約9800tfである。波浪時に内蔵された消波ブロックには、大きな値の波圧が作用する。この波圧によりケーソン壁に、大きな断面力が部分的に生じる。この断面力に対して鉄筋コンクリート部材では配筋が困難である。したがって、断面力の大きな箇所は合成版により、断面力の小さな箇所は鉄筋コンクリートで製作することとした。図-2にケーソンの断面を示す。図中の斜線部が合成版により、他の部分が鉄筋コンクリートで建造される。外壁(合成版)と底版(鉄筋コンクリート)、頂版(合成版)と外壁(合成版または鉄筋コンクリート)とに接合部(図-2でA部からD部まで)が存在する。この接合部の主たる断面力は軸引張力である。この軸引張力に耐え得る接合部の構造細目の設定と載荷試験によりこの接合部の耐荷力やひび割れ発生性状などの力学性状を把握する。
6.結論
(1)純引張力を受ける合成部材の接合部では、鋼材の降伏で耐荷力が決定された。ただし接合部の端部やハンチ部でひび割れが進展し終局時にせん断破壊を示した。
(2)接合部内では斜めひび割れ、梁部材ではハンチ基部での貫通ひび割れが卓越した。ただしひび割れはハンチ基部に集中することなく部材内にほぼ分散して発生した。
(3)純引張を受ける箇所でのひび割れ幅と鋼材のひずみ量との関係は、曲げを受ける従来の鉄筋コンクリート梁の場合よりもひずみ量に対するひび割れ幅の増加の程度がかなり大きい。
(4)接合部内にせん断補強を施すと、鋼板のコンクリートからの剥離が抑制されるが終局耐荷力に及ぼす影響は小さかった。
PDFファイル名 016-02-2196.pdf


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