種別 論文
主題 海中暴露5年後のコンクリート中の鉄筋の腐食に関する電気化学的実験
副題
筆頭著者 青戸章(国鉄鉄道技術研究所)
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連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 9
末尾ページ 12
年度 1980
要旨 1.まえがき
 既報1)で、表1に示した実験要因の各水準で作製した鉄筋コンクリート供試体を、材令28日まで海水中に浸漬した状態で定電流陽分極試験を行なったが、分極曲線にきれいなTafelの線が現われなかったので、鉄筋の腐食抑制作用の指標として陽分極電位が+500mV・SCEに達する時の陽極電流密度をデータとして解析した結果、混合セメントがよく、また、水セメント比とスランプの小さい密実なコンクリートの方が、鉄筋の腐食抑制作用が高いことを電気化学的に確認できたことを報告した。しかし、この実験では材令28日まで海水中に浸漬した状態で試験したので、鉄筋の近傍には海水塩分がまだほとんど浸透していないこともあって、防錆剤やかぶりの効果が有意とならず、また、亜鉛めっき鉄筋の防食効果を数量的に把握することができなかった。それに、+500mV・SCEという陽分極電位で判断するのは、分極が大きすぎるという問題点も有していた。今回は、上記の実験において同時に作製し、5年間海中暴露した鉄筋コンクリート供試体について、定電流陽分極試験と定電流陰分極試験を行ない、鉄筋の腐食抑制作用の指標も既報2)で報告した改善した方法でデータをとり、これを解析した結果を報告するものである。
6.まとめ
(1)5年間の海中暴露によって、普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートはすでに強度劣化が始まっているので、水密性を高くして外部からの海水塩分の浸透を防ぐためにも、海洋環境下では混合セメントの使用が望ましい。(2)海中暴露されるコンクリート中の鉄筋の腐食を防止するには、水密性が高く海水塩分浸透が少ない混合セメントを使用することにより、腐食速度を普通ポルトランドセメントの約2/3とすることができ、また、スランプと水セメント比の小さい密実なコンクリートとするのがよい。かぶりを4.5cmから7.0cmとすることによっても腐食速度は約3/4となり、この程度のかぶりがあれば防錆剤の使用も効果がある。また、黒皮鉄筋より亜鉛めっき鉄筋の方が腐食速度が小さい。
PDFファイル名 002-01-0003.pdf


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