種別 論文
主題 海水の浸食による鉄筋の腐食(関門トンネル車道床版の調査)
副題
筆頭著者 松下博通(九州大学工学部)
連名者1 手塚誠(日本道路公団)
連名者2 豊田昭夫(日本道路公団)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 17
末尾ページ 20
年度 1980
要旨 1 まえがき
 本州と九州を結ぶ関門トンネルは、昭和33年に完成し約21年を経た海底トンネルで、利用通行台数は1億台を突破し、この間の経済的利益は計り知れないものであった。しかし、この21年間における車両の増加および大型化並びに海水の影響等により、鉄筋コンクリート床版および側壁にひびわれ発生、鉄筋の腐食およびそれに伴うかぶりコンクリートの剥離などの変状が認められたため、海底部の413m3にわたって打ち替え工事が行なわれた。この際、取り壊された床版コンクリートおよび鉄筋について、床版コンクリート内における浸透塩分の分布状態の把握および塩分と鉄筋腐食度との相関々係の究明を行なうことは、今後の床版の劣化防止対策および劣化度診断にも役立つため、それらの調査結果について報告する。
6 まとめ
関門国道トンネルの床版コンクリートおよび鉄筋について、コンクリートの物理的、化学的性状およびコンクリート内における浸透塩分濃度と鉄筋の腐食度との相関々係を、ほゞ把握することが出来た。そこで、打ち替え床版の設計を行なうにあたっては、関門トンネル漏水の海水に対処するため、かぶり厚、水密性の良いコンクリートの配合、排水処理の改善、海水の浸透を防ぐ防水層などを十分検討して設計を行なった。今後、関門トンネル車道床版の劣化度診断には、コンクリートコアーを採取して水溶性塩素濃度を測定し、鉄筋の腐食度を推定して補強対策を行なっていけば良いと考える。又、関門トンネルのライニングコンクリートについては、昭和53年度のコンクリートの物理的、化学的試験の結果、水溶性塩素濃度は最高で0.6%であったが、コンクリートの圧縮強度は約500kg/cm2、超音波伝播速度は4500m/s〜5000m/sと大きく、しかも無筋コンクリートであるため、今後、相当期間経過後も、塩分浸透によるコンクリートの劣化はないものと思われる。なお、今回の調査に関して、関門トンネル技術検討会(委員長・徳光教授)、(株)オリエンタルコンサルタンツ福岡支社並びに麻生セメント中央研究所の関係各位の御指導と御協力をいただき、ここに御礼申し上げる。
PDFファイル名 002-01-0005.pdf


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