種別 | 論文 |
主題 | 高流動化コンクリートの品質に及ぼす分離の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 十代田知三(芝浦工業大学) |
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連名者2 | |
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キーワード | |
巻 | 2 |
号 | |
先頭ページ | 109 |
末尾ページ | 112 |
年度 | 1980 |
要旨 | 1.まえがき 単位水量を増さずにコンクリートの流動性を著しく改善する手段として、高性能減水剤あるいは高流動化剤などとよばれる表面活性剤(以下高流動化剤という)が開発され、実用化され始めている。減水効果を高強度化に応用した二次製品への使用はかなり定着しつつあるが、施工性を目的とした建築用現場打軟練りコンクリートへの適材にあたっては、基礎・応用の両面とも資料が十分とは云えない。本研究は、高流動化剤の分散・流動化効果がまだ固まらないコンクリートの分離性に与える影響に着目して、高流動化剤を後添加したコンクリート以下高流動化コンクリートという)について、分離性状とその硬化後の品質への影響に関し実験的に検討するものである。フレッシュコンクリートの分離は、運搬・打設時におけるものと、打設後に生ずるものとに大別できるが、前者については別に報告する予定である。後者については、既に一部の結果を発表1)した。これによると、高流動化剤の添加はペースト、モルタルのブリージングを助長すること、AE剤の併用や練置後の添加はブリージングを抑制すること、ブリージングは引張強度を低下させること、高流動化コンクリートは粗骨材の沈降が多く、レイタンスが顕著なこと、などが示された。本報告は、高流動化コンクリートの硬化後の諸性質を、位置・方向を変えて調べることにより、フレッシュ時の分離性がもたらす部材上下方向の非均質性や異方牲を把握して、硬化後の品質への影響を、無添加のコンクリートと比較検討したものである。 4.まとめ 本実験の範囲内て得られた主要な結果から総合的に考察すると次のようにいえよう。(1)高流動化剤の添加量および調合・打設が適切であれば、高流動化コンクリートの分離性が硬化後の均質性に及ぼす影響は、同じく調合・打設が適切な普通AEコンクリートと比べて大差ない。(2)上記のような高流動化コンクリートは同スランプ・同水セメント比の普通AEコンクリートに比べ、分散・減水効果に応じ密実となる。(3)高流動化剤の過剰な添加はコンクリートの分離性を助長し、硬化後の非均資性を大きくする。上記より、高流動化コンクリートの施工にあたっては以下の留意が必要であろう。(a)高流動化剤の計量管理を十分にする。(b)一回の打設高さをあまり高くしない。なお、マクロな面で柱・壁のような実大実験による高流動化コンクリートの均質性や打継部の調査・ミクロな面でセメントペーストと骨材との付着性に及ぼす高流動化剤の影響の検討、などが今後望まれる課題である。 |
PDFファイル名 | 002-01-0028.pdf |