種別 論文
主題 超音波法、シュミットハンマー法によるコンクリートの複合非破壊試験
副題
筆頭著者 野崎喜嗣(武蔵工業大学)
連名者1 中山千春(前田建設工業)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 137
末尾ページ 140
年度 1980
要旨 1 緒言
 コンクリート強度の非破壊的推定の手段として、複合法による高精度化が指摘されており、就中、手軽さを前提としたシュミットハンマー法と超音波法との複合法の有効性を立証しようとする研究報告*1も多く見られる様になってきた。然し、コンクリートの使用材料や調合、材令、或いは形状、寸法、含水状態等の諸条件により、それらの関係式はその傾向に無視できない差異が見られる事から、汎用的な関係式を求めようとするにはいささかの無理がある様である。但し上記の各要因に関する簡単な補正係数を示す事ができれば、実用的には充分な精度の推定式が得られるものと思われる。本研究は、先に述べたコンクリートの複合非破壊試験に関して、各種の要因効果を求める為に実施した実験室実験及び柱型モデル実験の結果をとりまとめ、実用化の為のネックとなる問題点を摘出して分析を行ったもので、主にコンクリート強度の推定精度についての検討結果を報告する。
4 まとめ
 (1)超音波法によるコンクリート強度推定に当って、音速の他に主に石質、水セメント比を変数として追加した場合に推定強度が著るしく向上する。その場合の回帰式は傾きが異なる傾向が見られた。(2)シュミットハンマー法によるコンクリート強度推定に当っては、養生法(或いは含水率の違い)が著しい影響を及ぼす。その場合の影響は傾きは殆んど同様であるが、y軸切片が異なる傾向にある。又材料学会による強度推定式と比薮すると、本実験による推定式は傾きはほほ同じで、切片が約100kg/cm2大きくなった。(3)音速及び反発係数とを組み合わせた複合法による場合は、前記2者に比して推定精度の向上が見られる。然しこの場合でも使用骨材の石質、養生法の効果が著るしく推定精度に影響を及ぼす。対象にした実験条件では推定誤差の標準偏差は大よそ10%程度と考えられる。(4)柱型モデル供試体に関する実験結果からスラグ骨材自体の吸水量は比較的少ないが、ブリージングが普通コンクリートに対して長時間に及ぶ傾向がある事が解った。スラグコンクリートの場合、打ち込みの上下方向の差によるコア供試体強度、音速、反発硬度への影響が比較的小さかった。その原因の1つとして、ブリージンク状態の違いが考えられる。その他の物理的、力学的性状についてはスラグ骨材コンクリートは普通骨材コンクリートと殆んど同様である事が判った。(5)まとめとして、複合非破壊試験によってコンクリート強度の推定誤差は減少するが、実用面でのより高精度化を計る上で、粗骨材石質、養生法等によるグルーピンクを行う事が有効と考えられる。その為にはもう少し広い範囲からの実験を行う必要があろう。
PDFファイル名 002-01-0035.pdf


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