種別 論文
主題 高強度コンクリートを使用した鉄筋コンクリート柱の曲げ強度と変形性状に関する実験研究
副題
筆頭著者 林静雄(東京工業大学)
連名者1 鄭憲秀(東京工業大学)
連名者2 黒正清治(東京工業大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 269
末尾ページ 272
年度 1980
要旨 1 目的
 本論文は、軸力と曲げせん断を受ける鉄筋コンクリート柱の強度と変形性状に及ぼすコンクリート強度の影響を調べるための実験と解析を行い、高強度コンクリートを使用した鉄筋コンクリート柱の合理的な設計法を確立するための基礎的な資料を得ることを目的としたものである。
6 まとめ
 以上の実験と解析から次のことがいえる。(1)圧縮強度が、800kgf/cm2程度までの高強度コンクリートを用いた鉄筋コンクリート柱が、軸力と曲げモーメントを受ける場合、その曲げ性状は、コンクリートの応力ひずみ関係をシリンダー試験に基づいてモデル化すれば、平面保持を仮定した断面曲げ解析により追跡できる。(2)曲げひびわれモーメントは、高強度コンクリート部材で高軸力を受けている場合でも、普通強度コンクリートで低軸力の実験から求めた菅野式で、ほぼ計算できる。(3)鉄筋コンクリート柱が、軸力と曲げせん断を受ける場合、コンクリート強度が500kgf/cm2までは、軸力比(N/BD・cσB)が0.3以内であれば、圧縮鉄筋の降伏は先行せずかなりのじん性が期待できる。コンクリート強度が500kgf/cm2をこえる場合には、圧縮鉄筋の降伏を先行させず、じん性を期待するためには、軸力比を普通強度コンクリートよりも少なめに押える必要がある。(4)鉄筋コンクリート柱が軸力と多数回繰返し曲げせん断を受ける場合、コンクリート強度が400kgf/cm2以下で、軸力比が0.2以下であれば、また、500kgf/cm2以上でも、0.15以下であれば、せん断耐力が曲げ降伏時のせん断力とほほ同じであっても2・δy程度の変形能力を確保でき、せん断補強筋が十分あれば4・δy程度の変形能力を確保することができる。(5)以上のように、軸力と曲げせん断を受けるシアスパンの長い鉄筋コンクリート柱の曲げ強度と変形性状に及ぼすコンクリート強度の影響について調べ、高強度コンクリートを使った柱は軸力負担能力がすぐれていることを示し、高強度コンクリートを使用した構造物の設計への基礎的な資料を得た。今後さらに研究を重ね、解析法の拡張を計り、高強度コンクリートを構造物に使用するうえでの可能性と限界について調べて行きたい。
PDFファイル名 002-01-0068.pdf


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