種別 論文
主題 低温下における太径鉄筋コンクリートはりの変形性状
副題
筆頭著者 金津努(電力中央研究所)
連名者1 青柳征夫(電力中央研究所)
連名者2 佐藤良一(防衛大学校)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 281
末尾ページ 284
年度 1980
要旨 1.はじめに
 本研究は、前報1)にひきつづき、低温下における鉄筋コンクリート(以下RCと略す)はりのひびわれならびに変形性状について論じたものである。前報では、主として低温下において軸引張および曲げを受けるRCはりのひびわれ性状について論じ、低温下におけるRC構造物に関する設計上の問題点を指摘した。とくに、鉄筋応力度と平均ひびわれ幅の関係は常温の場合とほとんど相違ないこと、低温下ではひびわれの分散が悪いこと、部材剛性が常温に比べかなり高くなることなどを明らかにした。鉄筋コンクリート部材のひびわれおよび変形に本質的な影響を与えるのは、コンクリートの引張強度と、鉄筋とコンクリート間の付着特性である。また、ひびわれ性状には鉄筋のかぶりが大きく影響することが知られている。したがって、同一鉄筋比を有するRC部材であっても、鉄筋径の相違がひびわれや変形性状に及ぼす影響は無視できないものと考えられる。本報では、低温下で曲げを受けるRCはりで太径鉄筋を使用した場合について実験を行ない、同一鉄筋比で細径鉄筋を用いたはりの実験結果と比較し、検討を加えた。
7.まとめ
 常温および低温下でのD32太径鉄筋を用いたRC部材のひびわれ、変形性状について、同一鉄筋比でD16鉄筋を用いたはりと比較して実験を行なった結果を要約すれば、本実験範囲で次のことが言えると思われる。1)太径鉄筋を用いたRC部材のひびわれ分散性は、温度条件に関係なく、細径鉄筋を用いたRC部材よりも劣っている。2)低温下および常温下とも、太径鉄筋を用いたRC部材では、同一鉄筋応力度に対しては、細径鉄筋を用いたRC部材よりもひびわれ幅は大きくなる。また太径RC部材で比較すると、温度の低い場合の方がひびわれ幅は小さい。3)太径鉄筋の使用に際しては、鉄筋に沿う縦ひびわれ防止のため、低温下においても十分なかぶりの確保や、スターラップの配置等の対策を講ずる必要がある。4)低温下でも常温下におけると同様、鉄筋径の相違がRC部材のモーメント−平均曲率の関係にほとんど影響を与えない。また、降伏時変形、塑性変形性状および終局時変形に与える鉄筋径の影響もほとんどない。終局時変形は軸力の存在により、軸力のない場合より著しく低下する。
PDFファイル名 002-01-0071.pdf


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