種別 論文
主題 確率過程理論に基づいたコンクリートの疲労に関する理論的研究
副題
筆頭著者 和泉正哲(東北大学)
連名者1 三橋博三(東北大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 329
末尾ページ 332
年度 1980
要旨 1.はじめに
 コンクリートは、建設工学上最も重要な構造材料の1つであり、その力学的性状に関する研究の歴史は古い。コンクリートの破壊強度に関する既往の研究も極めて数多いが、それ等の多くは主に破壊現象の断片的な観察に止どまっており、各々限られた条件下で適用可能な数々の実験式が提案されてきた。近年になって構造物の大型化・特殊化に伴い新たな条件下での設計が求められ、複合応力下での破壊条件式等に関して目覚しい発展が見られる。また電子顕微鏡等観察技術の進歩によってセメント結晶構造の特性等に関する研究の進展も急速である。しかしながら、此等所謂巨視的レベルでの研究成果と微視的レベルでの研究成果を結びつけ得る研究方法は未だ確立されていない。一方、コンクリートはその内部構造上高度に非均質な材料であり、作用応力の種類によって大きく異なった破壊性状を示すのみならず、その力学的性状は環境条件あるいは作用応力の時間特性によっても影響を受ける事は広く知られている。従って、この様な数多くの要因が影響し合う実働荷重下でのコンクリートの力学的性状を実験的にのみ研究する事は極めて困難である。本研究は、以上の2点を踏まえて、コンクリート材料内部の微視的構造・準微視的クラック進展挙動と巨視的な力学的性状を一つの理論の中に統一的に結びつけ得る様な破壊理論の確立を目指している。筆者等は、破壊進展過程の時間的ランダム性及び骨材や空隙等の介在物によって引起される局所応力分布の幾何学的ランダム性の双方を取り入れた確率過程理論に基づくコンクリートの破壊理論を既に報告している1)、2)、3)。その結果、破壊強度の載荷速度依存性、温度依存性、寸法効果、内部の非均質度と強度の変動特性の関係等が理論的に説明された。これまで荷重条件としては単調増加荷重のみを取扱ったのに対し、本報では時間依存型の荷重条件、即ち持続載荷及び繰返し載荷の場合について報告する。前者の条件下では所謂静的疲労現象が生じ、後者の条件下では動的疲労現象が観察される。共に静的漸増破壊荷重よりも低い荷重で破壊が引き起される点が特徴である。本報では特に静的疲労に対するコンクリートの材令効果及び動的疲労に対する局所応力のrelaxation効果について理論的に考察を加える。
PDFファイル名 002-01-0083.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る