種別 論文
主題 付着応力による割裂ひびわれに関する研究
副題
筆頭著者 西堀忠信(大阪市立大学)
連名者1 和木晴彦(京阪コンクリート)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 361
末尾ページ 364
年度 1980
要旨 1 まえがき
 鉄筋コンクリート構造物の設計は、部材の終局強度を基準とした設計方法の妥当性が認められ、既に諸外国においては設計基準に採用されている。しかしながら、なお多くの検討が加えられるべき問題が残されているものと考えられる。終局強度を基準にした設計においては、設計上想定した破壊、例えば曲げ破壊等が起こるようにその他の破壊がそれ以前に起らないことが保障されなければならない。鉄筋コンクリート構造物においては、突発的に起る破壊として、挫屈等の不安定現象のほかに付着による定着部の破壊がある。引き抜き試験においてみられるように鉄筋軸に沿ってコンクリートに割裂ひびわれが発生すると付着応力が急激に低下し、大きなずれが生じ破壊に至る。定着部の破壊は特に大きな付着応力が生じる高強度で太径の鉄筋を用いる場合において起こる可能性が大きく、最近のように大型の鉄筋コンクリート構造物が建設され、そのためこれらの高強度・太径の異形鉄筋が用いられている現状にあっては、付着応力による割裂破壊の機構を解明し、有効な補強方法を検討することは重要なことと考えられる。先きに著者らは、コンクリート板内に作用する面内集中力によって割裂ひびわれが生ずることおよびこの発生は鏡像理論による弾性解によって予知しうることを明らかにした。本研究においては、先きの研究結果を発展させ、コンクリート板に埋め込んだ鉄筋の引き抜きによる付着応力と割裂ひびわれとの関連を検討し、板厚の異なる3枚のコンクリート板に埋め込んだ異形鉄筋の引き抜き試験結果より、荷重の増加に伴なう付着応力度の分布形状の変化と板の鉄筋埋め込み位置の水平方向引張応力度との関連、および付着応力度を低下させる割裂ひびわれの予測のため板の面内に作用する分布荷重による面内の水平方向の応力を求める弾性解を誘導しこの解と実測値との関連などを明らかにした。
6 まとめ
 実験および計算結果をまとめると、(1)鉄筋応力度分布は(1)式でかなりよい精度で近似できること、(2)付着応力度の最大値は板厚が厚い程大きく、その位置が載荷端近くにあるときピーク値を示し、計算上のコンクリートの水平方向応力度も最大となること、(3)付着応力度が低下し始める荷重と割裂ひびわれ荷重とはほゞ一致すること、(4)付着応力の分布形状がわかると割裂ひびわれ荷重は計算によって推定できること、などである。
PDFファイル名 002-01-0091.pdf


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